前回は、許可なし増築がある家を購入する場合のリスクについて書きました。今回は、そのような許可なし増築があるかどうかを確認する方法について書いてみたいと思います。
ステップ1 :売り物件のリスティング情報に「許可なし増築がある」「ボーナスルーム」などと書かれているかどうかを確認する。
売り物件によっては宣伝文中にきちんと「許可なし増築がある」と書かれていることも多々あります。英語で言うとun-permitted addition という表現が最も一般的です。あるいはもう少しやんわりと「ボーナスルームあり」などと書かれていることもあります。一般の人が見れる宣伝文にはかかれていなくても、不動産業者用のデータベースに記載されていることもあるので、バイヤーエージェントに確認してください。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i
ステップ2:固定資産税の記録上の面積と、売り物件のリスティング情報に載っている面積を比較する。
固定資産税を課税する役割を持つロサンゼルスカウンティのTax Assessorは、カウンティ内の不動産の床面積などの基本情報を把握しています。そこに記載されている床面積とリスティング情報に記載されている床面積を比較し、リスティング情報の面積の方が大きい場合は、許可なし増築がある可能性が非常に高いと言えます。
建築許可をとって増築をすると、その情報は自動的にカウンティに送られて、カウンティの記録が更新されるはずだからです。ただし、カウンティの記録の床面積と宣伝んされている床面積が同じでも、許可なし増築がある場合もあります。
Tax Assessorの床面積はこのウエッブサイトで確認できます。
ステップ3:バイヤーエージェントからリスティングエージェントに電話確認
どこにも記載が無くても、リスティングエージェントにバイヤー側のエージェントが電話で確認すると、許可なし増築の有無について教えてくれることもあります。バイヤーのエージェントに電話をしてもらいましょう。
ステップ4:家を内覧する
実際に家を内覧すると、増築が行われたかどうかは通常分かります。屋根の形状、窓や外壁の粗材が一部だけ異なっていたり、間取りにどこか無理があったり。外壁がスタッコの場合はよく見ると継ぎ目が見えたりします。見ただけではそれが建築許可をとって行ったものか、そうでないのかは通常わかりません。
ステップ5:建築許可記録を調査する
この作業は通常はエスクローに入った後、調査期間内に行います。市域内に建っている建物の場合はその市町村、市域外の場合はロサンゼルスカウンティが建築記録を保管しています。市の窓口に行くと、これまで市が発行した建築許可の一覧を見せてもらえます。市によってはメールやファックスで請求するとメールで送ってくれるところもあります。
その記録をよく見て、建物を初めに建設した時の床面積を確認、ステップ4で見た増築が疑われる部分に対して建築許可が出ているかを確認します。建築許可が出ていても、工事が終わった時に市の担当者からの合格のサインが無い場合もあるので、注意が必要です。見方がよく分からないときは窓口の担当者に聞くと、通常は親切に教えてくれます。
増築がされたようにはまったく見えない場合も、建築許可記録の確認は念のためにやった方がいいと思ます。
この作業をバイヤーのエージェントに任せてやってもらうことはお勧めできません!ロサンゼルスの家は古いので100年近く前の記録を出してもらうことも多々あります。記録が無かったり、不完全だったりすることも多く、窓口の人の説明をエージェントからまた聞きするのでは、よく状況が分からないと思います。私の場合は希望があればお客様と同行は致しますが、お客様が行かれない場合は、建築記録等調査の専門会社に委託していただくようにお願いしています。
増築への建築許可記録が市の窓口ですぐに見つからなくても、他の事務所で保管されていたり、カウンティのAssessorに記録がある場合もあります。
上記をすべて行えば、どこが増築されているのか、それに対して建築許可があるのかどうかは通常は分かると思います。