提出したオファー(契約書)が売り手に認められ、エージェントから「オファーが通りました!今日からエスクローに入ります。おめでとうございます!」というメールが来た後、第一番目にやるべきことは何でしょうか?それはイニシャル・デポジットをエスクロー会社に送金することです。

(Initial Deposit)とは手付金のこと。契約が成立した証として、売り手ではなく、エスクロー会社に送金します。エスクロー会社はこれをエスクローがクローズする日まで預かっておき、決済の時に頭金に充当します。「イニシャル・デポジットは頭金の一部で、この部分だけ先にエスクローに送ることになっている」と考えていただけるといいと思います。イニシャル・デポジットはEMD(Earnest Money Deposit)と呼ばれることもあります。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i ii i i 

イニシャル・デポジットの金額は通常は購入金額の3%です。なぜ3%かというと、契約書内に太字で書かれている通り、リキダメ(Liquidated Damage 損害賠償予定条項)が購入額の3%だからです。売り手は、万が一買い手が契約を破って不当に購入を取りやめたなどの場合に契約額の3%を没収できることになっています。(契約書にあるキャンセル条項に従ってキャンセルした場合は問題ありません。)そのため、買い手は3%を初めからエスクローに預けておくことになっているのです。

イニシャル・デポジットは、通常は契約が成立から、つまり売り手がオファーにサインをしてから3営業日内に届けなせればなりません。こちらから送るだけでなく、この期間内に”Deliver”する、つまりエスクローの口座に資金が到着していなければなりません。契約によっては1営業日内に届けろと指定されることもあります。送り方も契約で指定されていて、通常はワイヤートランスファーです。

売り手がオファーにサインするのが夕方だったりすると、エスクローからの送金先の連絡は翌日になります。ワイヤートランスファーは午前中に銀行で行えばその日のうちに届くと思いますが、時間の余裕はほとんどないことがわかります。ですので、”オファーが通ったら、すぐ送金”と考えておいてもらった方がいいと思います。口座間で資金を移動してから送金するなどの時間はありませんので、あらかじめイニシャル・デポジット用の資金は当座預金などに用意しておいてください。

エスクローからの送金先のお知らせについてですが、最近はエスクローのメールをハッキングして間違った口座に送金させてしまう事件が起きて問題になっています。そのためエスクローは通常はバイヤーにだけしか送金先を知らせず、メールにもセキュリティがかかっていることが多くなっています。以前は私どもエージェントにも同じメールを送ってもらって日本語でお手伝いができたのですが、最近は難しくなっていることをご理解ください。送金先が分かったら、銀行に行く前に念のためにエスクロー会社に電話をして、口座番号を再確認してください。