固定資産税の請求書を見ると、1%の固定資産税だけではなく、様々な他の項目の支払いが加算されているのに気が付くと思います。公園費用、下水道区費用、水道区費用などが、便宜上固定資産税と一緒に徴収されています。
このように、恩恵を受ける地区(CFD, Community Facility district)を設定し、その中に不動産を持っている人に一定期間かける税金は”Mello-Roos”(メロルーズ)と呼ばれています。「新しい学校が必要。その学校に通えるエリアの不動産所有者に10年間、毎年一定額の費用負担をさせる」などがMello-Roosの例です。地方自治体がこのような課税をすることを許すCommunity Facilities Act というカリフォルニア州の法律を1982年に作ったのがMello さん(Henry Mello)さんとRoos さん(Mike Roos)だったので、このように呼ばれるようになりました。i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i
なぜこんなものができたのでしょうか。1978年にカリフォルニア州でProposition 13が法制化されると、地方自治体は勝手に固定資産税率を上げることができなくなりました。その税源不足を補う抜け道として、1980年代に、このように公共施設からの恩恵を受ける地区の不動産所有者に課税する方法が編み出されたのです。Proposition 13で「地方公共団体は新たな不動産税を課してはならない」と決められているのですが、Mello-Roos は、「不動産の価値に連動して税額が決められる固定資産税とは違う、なぜなら不動産所有者に不動産価値と関係なく一定の額を課税しているから」との、私から見れば一種の屁理屈によって課税が許されています。
古い街では大したことはないのですが、新しく出来た住宅地では、学校、公園、道路などの公共施設を作る必要があるので、Mello-Roosが非常に高いことがあります。ロサンゼルス付近ではValencia とSanta Claritaの一部の地区に高額のMello-Roosタックスがあることが有名で、場所によっては月額数百ドル以上になることもありますので要注意です。HOA(Housing Owners Association)の管理費はリスティング情報に明記されていますが、Mello-Roosについてはどこにも書かれていません。これらの地区で住宅を購入する場合は、必ず不動産エージェントにMello-Roosがいくらか事前に調べてもらうことが非常に大切です。住所をお知らせいただければ私の方でも調べられます。