カリフォルニアで不動産を購入、新しい近隣地区や近所のお店にも慣れてやっと落ち着いたと思ったとたん、Supplemental Tax Bill(サプルメンタル・タックスビル)と呼ばれる高額の請求書が突然地方自治体から送られてくることがあります。

サプルメンタル・タックスとは、固定資産税の請求書の一つで、家を購入して固定資産税が上昇したことために生じる差額の請求書です。現在、カリフォルニアの固定資産税は評価額(Assessed Value)の1%。不動産の売買が行われると、通常は購入額が新たな評価額になり、そこから物価上昇率か2%のどちらか低い方で毎年上がっていきます。ですので、かなり昔に売買された不動産だと、評価額はマーケット価格よりもかなり低くなっていて、固定資産税も安くなっています。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

本来はエスクローがクローズしたその日に評価額が変わり、固定資産税もあがることになっているのですが、いきなりその日にお役所が変更を行うわけではありません。実際にはお役所が新たな税額を計算をするのは早くても数か月後、遅い場合は一年後ぐらいになることも。従って、家を買ってからしばらくは元のオーナーが支払っていた古い固定資産税額を引き続き支払うことになります。

例えば元のオーナーは何十年も前にその家を購入したため、評価額が$500,000で、その1%にあたる$5,000/年の固定資産税を支払っていたとしましょう。この家を$1,000,000で購入すると、本来の固定資産税は$10,000/年でも、しばらくは古い税額の$5,000/年を2回に分けて払うことになります。

ある日、やっとお役所がこの家の新しい固定資産税を計算することになりました。すると「あ、この家は343日前に売れたんだね。343日間は本来の固定資産税の半分しか払ってなかったんだ。その差額は今すぐに払ってもらいましょう。」となります。(日割りで計算されます。)お役所の方では数か月以上かかっているくせに、差額の支払は即座にしなくてはならないのが腑に落ちませんが、そんなことを言っても始まりません。その差額請求書が”サプルメンタル・タックスビル”なのです。

この話をすると時々「私たちの固定資産税はローン会社が払うことになっているから大丈夫です。」と言う方がいらっしゃいます。確かに住宅ローンの種類によっては、ローン会社が固定資産税額を毎月のローン額に上乗せして徴収してエスクローアカウントに貯金しておき、締め切りが来たら代わりに納税することもあります。ただしその際、固定資産税用として上乗せする額が”昔の安い固定資産税額”になっていることが多々あります。その場合はサプルメンタル・タックスは自分で払わなければなりません。

サプルメンタル・タックスビルが来ても驚かないためには、以下のように対策するといいと思います。

1.まず住宅ローン会社に電話してサプルメンタル・タックスビルが来たら自分で払わなければならないのかを確認。(今上乗せ徴収されている固定資産税がいつの評価額で計算されているか聞く。)

2.元のオーナーの固定資産税額を確認。(エスクロー中にもらうPreliminary Title Reportに記載されています。あるいは不動産エージェントに電話して聞いてください)

3.購入額から新しい固定資産税額を計算し、差額を確認する。(カリフォルニアの固定資産税は購入額の1%)

4.新旧の固定資産税の差が月額いくらになるのかを計算し、毎月その分を別に貯金しておく。

インターネット上の上記を計算するサイトを利用する方法もあります。またエスクロー中にもらうNHDレポートにも計算方法を示すページがあります。

P.S. 地方自治体は、固定資産税に加えて、Mello- Loos(メロルーズ)という特定地区の不動産所有者にだけかかるその他の税金上乗せして徴収するのが普通です。Mello-Loosは家の評価が変わっても通常は変更されません。Mello-Loosについてはこちらをご覧ください。