お客様とお話していると時々「フォークロージャー物件が近い将来ドッと出るという話を聞いたから、今買うのはやめておく」とおっしゃる方がいます。どこやでそういう話を聞いたかたずねると、その元はテレビのニュースなどの全国レベルのフォークロージャーのトレンド。検討しているローカルな地域にそれが当てはまるかどうかわかりません。

ここでは南カリフォルニア、ロサンゼルスのフォークロージャートレンドについてみてみましょう。

全体的にみるとロサンゼルス近辺ではここ一年、フォークロージャー物件の出方はほぼ一定しています。

Graph of Foreclosure Inventories in Los Angeles County
06037 – Foreclosure Inventories
 

このグラフはロサンゼルスカウンティのもので、赤が銀行所有物件数、緑がプリフォークロージャー(ローンの支払いが遅れているがフォークロージャーセールの日はまだ予定されていないもの)、青がフォークロージャーセール日予定済みのもの。プリフォークロージャーが夏にちょっと増えているのが気にはなりますが、数は大体一定。去年に比べるとプリフォークロージャー、フォークロージャーセール予定済みともに2割程度去年の同時期よりも減っています。つまり銀行の在庫となる数は今はほぼ去年と同じだけれど、将来の入庫は減っているということで、このままうまくいくといつかは徐々に銀行在庫も解消されていくのではないでしょうか。

次のグラフをみてみましょう。
これによると物件がプリフォークロージャーになってから市場に出るまではなんと1年ぐらいかかり、銀行所有になってからは8ヶ月ぐらいもかかることがわかります。ということで、先ほどのグラフで見た入庫量の動きが実際のフォークロージャー物件リスティング数に影響を与えるのは1年ぐらい先、ということがわかります。しかもこの期間は10%ぐらい去年に比べて伸びています。

ということで、ロサンゼルスカウンティを見る限り、これから1年の間にフォークロージャー物件がドッと増えるような前兆はありません。銀行はたくさんの物件を所有しているので、彼らのさじ加減しだいであるときドッと出したり出さなかったりはできるかもしれませんが・・・。ただ普通に考えれば、彼らのスタッフの数は決まっているわけだし、使っているブローカー数もある程度一定しているでしょうから、全体的な環境に大きな変化がない以上、今やっている数ぐらいをずっと定期的に出していくのが一番ありそうな展開のように思えます。

皆さんはどう思われますか?

ちなみは以下はロサンゼルス市の統計です。その他の市についてお知りになりたい方、関連するほかのデータを見たい方はご連絡ください。