アメリカには時代によっていろいろな住宅建築スタイルがありますが、南カリフォルニアで20世紀初頭に大流行したのが、バンガロー(Bungalow)スタイル。アメリカではこの年頃に建てられた住宅がまだまだ現役で使われ、売買も普通に行われています。住宅購入をお考えの方は、リスティングサイトでバンガロー建築の住宅を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
バンガローはインドのベンガル地方に由来する建築スタイル。熱帯気候に適応し、周囲の自然を窓やデッキから楽しめるので、温暖な南カリフォルニアにはぴったり。バンガロー建築の要素を一部を取り入れた住宅もその後たくさん建設され、ビンテージな本格バンガローや”なんちゃってバンガロー”があちこちに多数存在しています。ちなみに私がエージェントになって初めて販売した家もバンガロースタイルでした。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i
1910-1930年代に建てられた本格的バンガロー住宅が集中する地区としては、アメリカ国家歴史登録財に指定されているのはパサデナのバンガローヘブン地区が南カリフォルニアでは最も有名です。約800棟があり見学ツアーも行われています。ロングビーチのBelmont Heights地区にもバンガロー建築が多く保存され、私もかなり前にこの中の一軒を販売させていただきました。
そんなバンガロー建築の特徴は:
1. 自然との調和:玄関前に広い屋根付きポーチがあり、椅子を置いてくつろぐことも可能。窓も多く周囲の自然を楽しめる設計。
2. 自然素材:構造や内装は木材や自然石が中心。外観も木の梁、柱、窓枠などの線を強調したデザイン。
3. オープンフロアプラン:ビクトリア建築では部屋が独立しているが、バンガローの内部はオープンな間取りで開放的。居間とダイニングも一体になっていて、現代建築に通じるものがあります。
4. シンプルなデザイン:当時としては余計な飾りを排除した直線的でミニマリストなデザイン。建築当初は他の建築スタイルよりも比較的ローコストで、中産階級向けの住宅として普及しました。
5. 低い屋根:バンガローの屋根は一般的に低く傾斜が緩やか。一階建てが主流です。
6. 独特の手作りディテール:大量生産に対抗し、職人の手仕事を重視したアーツ・アンド・クラフツ運動やクラフツマン様式の影響を受けた独特のディテールが特徴。例えば、アンバーや焦げ茶色のステンドグラス、シンプルなランプ、手作りの木製作り付けキャビネットや本棚、幅が広い玄関ドア、暖炉周りの手作りタイルなど。
手工芸の温かみと、現代建築の先駆けとも言えるシンプルさが調和したバンガロー建築は現代でも人気。コンディションが良く、バンガロー建築らしいディテールが揃っている住宅は高価格で取引されています。

パサデナの有名なバンガロー建築、Gamble House

Gamble Houseの玄関部分

Gamble Houseのライト

ロングビーチの私が過去にお客様の購入をお手伝いしたバンガロー建築です。

私がエージェントとして初めて販売した住宅もバンガロー建築でした。