イーズメント(easement)とは、日本の地役権とほぼ同じで、”他人の土地の一部を特定の目的で使用する”権利です。イーズメントが設定されている部分であれば、所有者でなくても通過したり、使用したりすることができます。
イーズメントにはいろいろなタイプがありますが、最もよくあるのはUtility Easement (ユーティリティー・イーズメント)です。これはガス、水道、電気会社などのが、電柱を設置したり、ケーブルや管を地中に埋設したり、上空の電線などのメインテナンスのために立ち入る権利を設定したものです。その多くは敷地の境界線に沿って設定されます。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i
次によく見るのが”通行のために他人の土地を利用する”権利を設定した、俗にDriveway Easement(ドライブウエイ・イーズメント)と呼ばれるイーズメントです。他人の土地を通過して公共の道路に出る必要がある場合などに設定されます。
隣同士でドライブウエイを共用してる場合は、Shared Driveway Easement(シェアド・ドライブウエイ・イーズメント)と呼ばれるイーズメントが設定されます。隣の家との境界線上に道路に出るドライブウエイがあり、そこを通ってそれぞれの家のガレージに入る場合などがこれにあたります。ドライブウエイの半分は自分の土地ですが、反対側の半分はお隣さんの土地なので、お隣さんの土地を自分が使ってよい権利と、自分の土地をお隣さんが使ってよい権利の両方が設定されます。
Driveway Easementなどは個人間での約束に基づくものなので、Private Easement(プライベート・イーズメント)とも呼ばれます。ちなみに、他人のイーズメントが設定されてる土地をSevient Estate(サーヴィエント・エステート)、他人の土地にイーズメントを設定している土地をDominate Estate(ドミネート・エステート)と呼びます。相手に権利の一部を提供している、つまりサービスしている側がSevient Estateなわけです。
イーズメントのほとんんどは登記されているので、不動産にどのようなイーズメントがあるかは登記された内容をまとめたタイトルレポートを読めば分かります。(タイトルレポート、タイトル保険についてはこちらをご覧ください。)「レポート中にイーズメントがあると記載されているけれど、具体的にどこにあるか分かりにくい」という場合は、レポートを発行したタイトル会社に「イーズメントの位置を地図に示してください」と頼むと、下のようなPlotted Easements(プロティッド・イーズメント)と呼ばれる地図を作成してくれます。不動産を購入する場合は、必ずイーズメントがあるか、もしもあるならどこにあるのかを確認しましょう。
Plotted Easements(プロティッド・イーズメント)
緑の斜線がユーティリティー・イーズメントの位置。