Heritage Palms

アメリカには高齢者(通常55才以上)専用のコンドミニアムやゲート付きの開発地が点在しています。これらは一般に”リタイアメント・コミュニティ”、”55+コミュニティ”、”アクティブ・アダルト・コミュニティ”、”シニア・コミュニティ”などと呼ばれています。

日本には”歳をとったら子供や孫と一緒に暮らしたい”と思う人が多いと思われますが、アメリカでは成人した子供は家から出ていくのが当たり前。親は、子供に邪魔されず、のびのびと自分の時間を過ごせる日が来るのを楽しみにしています。子供が独り立ちすると夫婦二人には大きすぎる家を売り払い、夫婦用の小さめの家を買うわけですが、そのニーズに目を付けたデベロッパーが60年代に発明したのが”リタイアメント・コミュニティ”でした。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

1960年にDel WebbがアリゾナにつくったSun Cityという住宅開発地がリタイアメント・コミュニティの第一号。8つのゴルフ場やプール、ボーリング場、アートセンター、ソーシャルクラブが完備した広大な敷地に2万8千軒の家が建つSun Cityは大成功。その後、アクティブなシニアのニーズを満たす、似たコンセプトの開発がアメリカ中に広がりました。塀で囲まれ、ゲートで部外者の立ち入りを制限するGated Community内に戸建て住宅を建てる方式のリタイアメントコミュニティが最も一般的ですが、コンドミニアムビル数棟、あるいは1棟のみからなるコミュニティもあり、そのタイプや立地、価格帯は様々です。

リタイアメント・コミュニティの一般的な特徴は:

1.年齢制限:コミュニティ内の家を購入するには通常55才以上などである必要がある。夫婦の場合はどちらか一人が当てはまればOK。コミュニティにもよるが、18才未満の子供の居住は通常認められない。

2.豊富な共用施設やイベント:多くのコミュニティにはプールやゴルフ場などのスポーツ施設、クラブハウスなどの共用施設が揃い、カードゲームなどの盛りだくさんのイベントが催されている。

3.HOA(Home Owner’s Association):HOAと呼ばれる自治組合があり、共用施設やイベント、地区内の道路などを管理。住宅のメインテナンスを提供することもある。HOAはこのようなサービスを行うための管理費を住民から徴収する

4.住宅サイズは小さめ:夫婦二人が住むことを想定しているので、住宅のサイズは小さめ。階段などがない、高齢者にも住みやすい家になっていることが多い。

5.医療サービスは無し:介護などの医療サービスは無いので、住民は自立して生活できる人に限られる。

6.一般的には周辺の似た物件よりも価格が安い。

リタイアメント・コミュニティとは言っても、まだまだ現役で働いている人も多く居住しているため、最近は55+コミュニティと呼ばれることが多くなっています。年齢制限のために購入できる人の数が少ないので、価格は通常は周辺の似た物件よりもかなり安めです。

例えば、パームスプリングス付近にあるHeritage Palmsという約400エイカーの土地に約千軒の家が建っているリタイアメント・コミュニティでは、クラブハウス、ゴルフコース、フィットネスセンター、プール、テニスコート、ビリヤード、自転車道などが整備されていて、ポーカー、ダンス、卓球、エアロビクス、BBQ、麻雀などのクラブがあります。2寝室の一軒家の価格は$550,000程度。、敷地内には戸建て住宅と2戸が一つの建物になっているDuplexがあります。

また最近ではディスニーがSotrylivingというブランド名で55+コミュニティ事業に参入しつつあり、南カリフォルニアではパームスプリングス付近のRancho Mirageでその第一号地区”Cotino”の建設が始まっています。Cotinoでは人工的なラグーンを囲んで、住宅1900軒、大規模ホテル、商業施設などが建設される予定で、ディスニーのノウハウを駆使したデザインやサービスが提供されるとか。

ご興味がある方がいらっしゃったら、ぜひご連絡ください。

Heritage Palmsのプール

Heritage Palmsの住宅