私が10年以上在住しているのが、このマウント・ワシントン地区。ダウンタウンから高速110号線で約15分という便利さが魅力で、映画関係者などが多く住む、リベラルでアーティスティックな住宅地として知られています。

 「マウント(山)」という名前の通り、地区はかなり標高の高い丘陵地とその裾野から成り立っています。山の近くにはSea View Avenue, Sea View Drive, Sea View Lineという3つのSeaView通りがありますが、ビーチから50kmぐらい離れているにもかかわらず晴れた日にはちゃんと海が遠くに見えます。Sea View 通りは途中から山の頂上を巡るトレイルになっていますが、そこからはグリフィスパークの天文台、ハリウッドのビル、サンタモニカ、ウエストウッドなどウエストロサンゼルス全般を海まで見渡すことができ、特に夕日が沈む様は絶景です。

 Sunset Mt. Washington

マウントワシントンでもっともメジャーな通りは山の下から頂上まで抜けるSan Rafael通り。この通り沿いにはAPIスコアが900に近く、北東ロサンゼルスで最高クラスのマウントワシントン小学校があります。その先には元はホテルだった敷地にSelf Realization Fellowshipという宗教団体の総本部が立地。さらに1,2ブロック先にはロサンゼルス市長のAntonioVillaraigosaの自宅があります。

 

マウントワシントン地区は地区全体が住宅地のため、商業施設や大規模アパート、コンドミニアムなどはありません。そのためロサンゼルスに長く在住している人でも、マウントワシントンがどこにあるのか知らない人も多いのですが、2000年頃からはウエストロサンゼルスからの高所得者の流入が進み、家の購入を考える人の間では非常に人気が高まっています。私の自宅付近でも、引っ越してきたばかりの頃は、近所の人はヘアドレッサー、コントラクターなどだったのですが、数年のうちに医師、テクノロジー会社経営者など、これまでと少し違う雰囲気の人が直ぐ近所に住むようになり、それに合わせて山裾のイーグルロックハイランドパーク地区に寿司屋、おしゃれなコーヒーショップ、ギャラリー、ワイン専門店などがオープンし始めました。

 

このような人気の理由の一つはやはりマウントワシントン小学校。ダウンタウン付近で成績の良い小学校というとモントレーパーク地区、サウスパサデナ地区などになりますが、マウントワシントン小学校はそれらの地区に決して劣らないいい小学校で、しかも地価はそれほどでもないというのが家を探す人にとって大きな魅力になっています。残念なことにマウントワシントン地区専用の中学校というのはないので、中学校からはいい学校に行ける保障はありません。ただしサウスパサデナ市の中学校は市外の子供も条件が合えば入学を認めている他、優秀な子供(ギフティッドの子供)はイーグルロックのギフティッドマグネット中学校・高校に進学するチャンスもあります。ほかにも質のいいチャータースクールやマグネット校もあるので、「子供が中学校に入ったら引っ越すか、私立しかない」というわけでは決してありません。

 

人気のもう一つの理由は眺めと緑。先ほどのSea View Avenueからのような絶景が家の窓から眺められる家がマウントワシントンにはたくさんあります。また斜面のため建物をびっしりと建てることができないので、マウントワシントン地区には緑がたくさん残され、「リゾート的」な環境を作り出しています。

 

気になる地価ですが, 家の値段は標高が高いほど高くなっていますが、2011年に売られた物権をみると、平均価格は$482,000で平均床面積は1516SqftSqftあたりの価格は$342になっています。そのうち2寝室の物件だけをみると、平均価格は$390,000、平均床面積は1020SQFTSQFTあたりの価格は$3743寝室の物件では平均価格$548,000、平均床面積1592SQFTSQFTあたりの価格$3334寝室では平均価格$648,000、平均床面積2272SQFTSQFTあたりの価格は$297です。物件の数は3寝室のものが一番多くなっています。