住宅不況のはずなのに、住宅不足??
今南カリフォルニアの不動産マーケットでは、売り物件数が急速に低下しています。
以下のグラフをみてください。これはロサンゼルス市の住宅売り物件の在庫数があと何か月分あるかを示した指標の変化をしめしたものです。
指標が3の場合は、もしもあたらしい在庫が入らなかった場合、現在ある在庫は3ヶ月で売り切ることになります。
これまでは在庫数は5-6か月分はあったのですが、ここへきてそれが3か月分に低下。少ない在庫に多くのバイヤーが集中してしまい、家を買うための競争が非常に激しくなっています。
去年の今頃に比べると在庫数は約半分になっている状態ですが、その原因はなんなのでしょうか?
その第一の原因はバイヤーが増えたこと。30年固定金利ローンの金利が3・7%を割るという超低金利を生かそうと非常に多くの人が住宅の購入を考えています。
第2の原因は家を売り出そうという人が少ないこと。家の売主からみると、住宅価格はまだまだ低すぎ。少し待てばもっと価格が上がるのではないか、と思われていて、多くの人が売り控えをしています。
第3の原因は銀行所有物件があまり多くマーケットにでていないこと。ここ2年ほど「もうすぐ銀行所有物件がどっと放出される」とうわさされ続けていますが、それがいったい本当に来るのか、来るとしたらいつなのか誰にもわかりません。素人が考えても、価格が崩壊するほどたくさんの銀行所有物件がマーケットに一時に出るとは考えにくいものがあります。
ロサンゼルスタイムでも大々的に報道されたとおり、バイヤーは少ない売り物件中のさらに少ない「割安で、きれいで、いいロケーションにある家」に集中。そのような人気物件のオープンハウスでは周囲に車を停めることができないほどの賑わい。物件によっては20-30近くのオファーが提出され、リスティング価格を大幅に上回る価格でエスクロー入りしています。
このような状況はいつまで続くのでしょうか。
私は①今後の経済状況が再び低下、バイヤーがローンを払い続ける自信を失ってオファーを出す人が少なくなる、②住宅価格が上昇、セラーにとって満足できる価格に回復して、家を売り出す人が増加、③銀行所有物件がうわさどおり大量にマーケットに放出される、④金利が上昇、ローンを組めるバイヤーが減ってオファーを出す人が少なくなる、のどれかが起こるまでこの住宅不足状態は続くのではないかと思われます。
①③が起こると思う場合は今は買うのを控えるのが正しいですが、②や④の方向に行ってしまうと家を買うチャンスが失われてしまうことにもなりかねません。(景気対策を考えると④が起こる可能性は低そうにですが。)将来がどうなるかは誰にもわからないので、多少競争は激しくても、価格と金利が低い今行動しようという人が多いのでしょう。
皆さんはどう思われますか?