ここでは簡単にカリフォルニアのフォークロージャープロセスについて説明してみましょう。物件が抵当流れになるまの仕組みが分かっていただけると思います。
上の図をご覧ください。
ステップ1
オーナーのローンの支払いがしばらく滞ると「Notice of Default」(俗にはNODとよばれます)という通知が発行され、登記されます。
ステップ2
NODが登記されてから3ヵ月後以降に, 「Notice of Trustees Sale」(続にNTSと呼ばれます)という通知が登記されます。オークションの日はこの通知が登記されてから20日以降に設定されます。
ステップ3
オークションが行われます。裁判所前の階段のところなどで行われることが多いようです。オークションの買い手は全額現金で支払いをしなければならず、普通の取引のようにホームインスペクターなどを雇って建物を調査することもできません。中も見れないことが多く、外見だけでいくらで買うかを決めなければならないのが普通。あとで建物に決定的な問題があることが分かってもどうすることもできません。非常にハイリスクな取引ですので、フォークロージャーオークションを専門にしている投資家や「購入金額のすべてを失っても構わない」と覚悟出来る方以外にはお勧めできません。またオークション物件にはMinimum Bidと呼ばれる最低額が設定されているのが普通です。この最低額は普通は銀行のローン残高で、不動産価格が暴落した現在ではMinimum Bid額(=ローン残高)がマーケット価格よりも高い、つまり買っても仕方ない物件が大半です。激安で買える物件はオークションに出る物件のうちのほんの僅かです。
ステップ4
Postpone延期・キャンセル
「Notice of Trustees Sale」が出された物件の総てが予定日にオークションにかけられるわけではありません。実際は予定された物件のセールの大半がpostpone(延期)されます。延期やキャンセルされるかどうかは実際に会場に行ってみるまで分からないのが普通です。延期・キャンセルされる主な理由は、loan modification(オーナーが銀行とローンの月支払額を調整するなどしてローンを支払い続ける交渉)が行われている、ショートセールが行われているなどです。
Sold to Bank
Minimum Bid額がマーケット価格よりも高くて誰も買う人がいないと、ローン会社が物件を買う(取り戻す)ことになります。ここで物件はいわゆる「Bank Owned」または「REO」となり、その後ローン会社が不動産エージェントに販売を依頼、銀行所有物件としてMLSに登場することになります。多くのREO物件はごく普通にMLSを通じて売買されますが、場合よってはローン会社が販売をオークション会社に依頼することもあります。その場合は物件は通常のMLSとオークションカタログの両方に登場、今度は裁判所の階段ではなく、ホテルのきれいなイベント会場などで一般向けオークションが行われます。このような一般向けオークションではバイヤーはローンを組んだり、不動産エージェントを雇って一緒にオークションに行ってもらったりもできます。物件の内部を見たり、建物の調査をするチャンスもきちんとあるのが普通です。ただしこのような一般向けオークションには比較的誰でも参加できるので競争が激しく、激安価格で購入できるとは限りません。
Sold to 3rd Party
投資家が購入。たまにはマーケット価格よりも激安価格の物件がオークションにかけられる事もあります。ローン残高(Minimum Bid額)がそんなに高くないのなら、オーナーが自分で売って売値とローン残高の差額を自分のポケットに入れた方がいいと思うのですが、現状を冷静に判断できないオーナー、現実逃避しているオーナーも多く、対処を先延ばしにしているうちにフォークローズされてしまうこともあるようです。
ステップ4
物件が競り落とした投資家、あるいははローン会社のものになります。