「フォークロージャー物件は安い」と思っている方。その「常識」はそろそろ改めなくてはならないかもしれません。売り物件が少なく、不動産の在庫不足が深刻なアメリカではフォークロージャー物件も値上がりし、普通の売り物件との価格差があまりなくなっています。

インターネット不動産サイト Zillow によると、全米ではフォークロージャー物件は普通の売り物件にくれベルト7.7%割安とのこと。ただし、住宅価格が比較的高い人気エリアではフォークロージャーとそうでない物件の価格差はほとんどなくなっています。

Zillowの専門家によると、人気エリアの買い手は価格の上がる前に物件を押さえることに重点を置いているため、フォークロージャー物件にも普通の物件と同じぐらいの値段をつけるバイヤーがいるため価格差が縮まっているとのこと。

私のマーケットエリアであるロサンゼルス北東部、パサデナ、バレー方面でも全くその通りで、フォークロージャー物件でもローン会社がきれいに直して売り出している物件は、同じレベルの普通の売り物件とほとんど同じ値段で売れています。コンディションの悪い物件は修理が必要な分、値段は安いですが、同じようなコンディションの他の売り物件と比べて特に安いとは思えません。

Zillowによると、フォークロージャーとそうでない物件の価格差が小さい都市は以下の通り。

Las Vegas(0%)

Phoenix(0%)

Sacramento(0.7%)

Riverside(1.8%)

San Diego(2.4%)

Miami-Ft. Lauderdale (2.9%)

Los Angeles(4.2%)

San Francisco(4.7%).

フォークロージャー物件では、スタンダードセールでは通常売り手が負担するシロアリ関連の修理費や、市町村が要求する最低限の家の基準に合わせるための修理(レトロフィット)もバイヤー負担になるケースが多くなります。またローンのコンティンジェンシー期間などにも融通がききません。このようなことを考えると、フォークロージャー物件の価格がほんの少し安いだけでは割りに合わない場合もあります。「フォークロージャー物件だから得」という時期は少なくともロサンゼルス付近ではかなり以前に終わっているように思います。

いまだにフォークロージャー物件の方がずっと安い都市は以下になります。

Pittsburgh,Pa.(27.8%)

Cleveland(25.8%)

Cincinnati(20.2%)

Baltimore(20%)

New York City(15.5%)

 Source: “Low Inventory Wipes Out Foreclosure Discount,” Examiner.com (Nov. 18, 2012)