超品薄、ローン利率史上最低、バイヤー競争激烈なマーケット状況で、やはり一番強いのは全キャッシュオファーですが、ローンありのオファーでも以下の条件を満たせば希望の物件を獲得できる可能性が高いと思います。

(1) 購入価格を高くする

売り手にとっては「いくらで買ってくれるのか」がオファーを見るときの最大のポイントになります。ローン付きのオファーであっても、価格が高ければ全キャッシュオファーに勝つことができます。家の売り手にとっては、ローンであろうがキャッシュだろうが、受け取るお金に変わりはありません。キャッシュオファーには「短い期間で売買できる」、「売り手のローンが認められず取引がキャンセルされるリスクがない」 「アプレーザルが低くても問題なし」というメリットがあります。しかし、物件の価格や状況にもよりますが、$20,000~$40,000ぐらいローン付きの方が高ければ、ローン付きオファーが選ばれる可能性が高いと思います。

オファー価格は周辺の似た物件の販売額を参考に決めますが、現在は価格上昇中ですので、過去の価格と似たような金額では他にオファーがあった場合はほぼ絶対に選ばれません。

仮に半年前の似た家の販売額(俗にCOMPと呼ばれます)が$700,000だったとしましょう。そのエリアの値上がり率が13%なら、半年間の値上がり率は6.5%ですから、700,000×1.065=745,500で、$700,000ではなく$745,500を参考に値段を決めるようにしましょう。

「初めは低いオファーを出して、カウンターオファーがあったら値上げする」という“戦略”も複数オファーがある状況では通用するとは限りません。非常にいいオファーがあった場合、売り手がカウンターオファーなどしないで即決してしまうかもしれないからです。私は「ああ、あと$1000ドル高く出しておけばよかった~。」などと後で絶対に後悔しない、自分としての最高額を初めに提示するのが一番いい戦略だと思います。

また、複数のオファーから選ばれるためには「普通の人が冷静によく考えた結果、提示するであろう金額」ではなく、それよりも「1ランク上」の額を提示する必要があります。「普通の価格」は他の人も出してくるからです。2013年4月現在の状況では普通のエージェントが「ええっ、そんな価格で本当に売れたの?」とびっくりするような価格で売れていく家が非常に多くなっています。もしかすると、あなたのエージェントが「それはちょっと高すぎかもしれません・・・」と難色を示すような価格が実は正しい、勝てる価格なのかもしれません。

そのような、冷静な分析結果を超えた「ガツンと行く」金額は、その家を非常に気に入っていなければ提示できないのではないでしょうか。「この家が絶対に気に入った! 高くてもいいから欲しい!」と思えないと買えない状況に今のマーケットはなっていると思います。

家がどんどん売れていく現状では、ある日オープンハウスで家を見たら次の日にはオファーを出さなければ間に合わないことが頻繁にあります。ということは一見して「この家だ!!」と即断できないと買えないとも言えます。そういう即断を普通にできる性格の人もいるでしょう。でも理性的で、用心深い人にはこのような行動はとても難しいのではないでしょうか。

そういう人は可能な価格帯の中で現実的に考えたとき「自分はどういう家に住みたいのか」のイメージを事前にしっかりと固めておきましょう。スポーツ選手のイメージトレーニングと同じです。そうしておけば、理想のイメージや譲れない条件に合った家が出現したとき、即断できるのではないかと思います。