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こんにちは!

ユカリ・トラヴイスはカリフォルニア州ロサンゼルス市に在住する日本人不動産エージェントです。2009年からロサンゼルス市周辺の住宅不動産の売買を日本語でお手伝いしています。

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YouTubeチャンネル”アメリカ不動産と暮らしの話”を開設しました。アメリカ不動産売買の仕組みや不動産用語を分かりやすく解説しています。どうぞご覧ください。

日本語を話す、信頼できる不動産エージェントをご紹介します。

アメリカの全地区についてご相談ください。

Prop. 19 カリフォルニアの固定資産税 【アメリカ不動産の言葉】

house

2021年4月からカリフォルニアではProposition 19と呼ばれる、55才以上の人(および特定の身体障害がある人など)が家の買い替えを行った際に固定資産税が上がらないようにする制度が始まりました。以前もこれに似た限定的な制度(Prop60/90)があったのですが、Prop.19は州全体に適用される本格的なものになっています。

Proposition 19が何かを説明する前に、まず1978年に施行されたProposition13について簡単に説明したいと思います。固定資産税を決める際のベースとなる評価額は、以前は周辺の売買価格などを参考に毎年変更されていました。ところがカリフォルニアでは地価がどんどんと上昇。それに従って固定資産税額も上昇し、税金が払えない人も出ていました。そのような事態への反発として住民投票によりProp.13が制定されました。Prop.13の内容を簡単に説明すると以下です。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

1.固定資産税の評価額は不動産購入時のマーケット価格(通常は購入価格)とする。(固定資産税率は1%)

2.その後の固定資産税評価額の上昇率はインフレ率とするが、年率2%を上限とする。

つまりこのProp.13により、不動産価格がどんなに上昇しても、固定資産税は2%しか上がらないことになりました。カリフォルニアでは不動産価格が年10%以上上昇することも珍しくないので、長く不動産を所有するほど、時価と評価額の差が開いていきます。その結果、Prop.13が施行されてから45年経つ現在では、時価2ミリオンドルなどの高額な家でも、昔安く購入した場合は評価額は$250,000程度で、オーナーは非常に低い固定資産税しか払っていない、というケースが非常にたくさんあります。

このような人たちの子供が独立し、「今の家は広すぎる。小さな家に引っ越そう。」とk考えたとしましょう。その際、次の家の予算は$800,000だったとします。Prop.13のルールによると引っ越し先の家の固定資産税評価額は購入額である$800,000 。元の家の評価額$250,000の3倍以上になります。小さい家に買い替えるのにも関わらず、固定資産税は3倍以上になってしまうのです。リタイアしている夫婦にとって固定資産税が上がるのは大問題。「家を売って利益が出るのはうれしいが、これから一生この高い固定資産税を払うのか。やっぱり売るのはやめよう。」となってしまうこともあるでしょう。そうなると大きな家が若い人たちに回ってきません。

Prop.13は固定資産税を安くするという点においてはカリフォルニア州民にとって素晴らしい制度ですが、買い替えをためらわせるため、必要な人に住宅ストックが届きにくくなるという側面もあります。このような状態を多少改善するために作られたのがProposition 19です。この州法により55才以上の人がカリフォルニア州内で自宅を買い替えた場合は、元の家の固定資産税評価額が引き継がれることになりました。つまり先ほど例にあげた、2ミリオンの家を$800,000の家に買い替える人たちの、次の家の固定資産税評価額は$250,000のままになります。元の家よりも高い家に買い替えた場合でも、超過分のみが新しい評価の対象になり、非常にお得になります。この買い替え特例は一生の間に3回使えます。

ただしこの優遇策と引き換えに、子供が自分が住んでいない不動産を親から相続する際は、相続時の時価が新たな評価額になることになってしまいました。(以前は制約はありましたが基本は親が払っていたと同じ固定資産税を引き続き払えばいいことになっていました。)

Photo by Towfiqu barbhuiya on Unsplash

リタイアメント・コミュニティ/ 55+コミュニティ【アメリカ不動産の言葉】

Heritage Palms

アメリカには高齢者(通常55才以上)専用のコンドミニアムやゲート付きの開発地が点在しています。これらは一般に”リタイアメント・コミュニティ”、”55+コミュニティ”、”アクティブ・アダルト・コミュニティ”、”シニア・コミュニティ”などと呼ばれています。

日本には”歳をとったら子供や孫と一緒に暮らしたい”と思う人が多いと思われますが、アメリカでは成人した子供は家から出ていくのが当たり前。親は、子供に邪魔されず、のびのびと自分の時間を過ごせる日が来るのを楽しみにしています。子供が独り立ちすると夫婦二人には大きすぎる家を売り払い、夫婦用の小さめの家を買うわけですが、そのニーズに目を付けたデベロッパーが60年代に発明したのが”リタイアメント・コミュニティ”でした。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

1960年にDel WebbがアリゾナにつくったSun Cityという住宅開発地がリタイアメント・コミュニティの第一号。8つのゴルフ場やプール、ボーリング場、アートセンター、ソーシャルクラブが完備した広大な敷地に2万8千軒の家が建つSun Cityは大成功。その後、アクティブなシニアのニーズを満たす、似たコンセプトの開発がアメリカ中に広がりました。塀で囲まれ、ゲートで部外者の立ち入りを制限するGated Community内に戸建て住宅を建てる方式のリタイアメントコミュニティが最も一般的ですが、コンドミニアムビル数棟、あるいは1棟のみからなるコミュニティもあり、そのタイプや立地、価格帯は様々です。

リタイアメント・コミュニティの一般的な特徴は:

1.年齢制限:コミュニティ内の家を購入するには通常55才以上などである必要がある。夫婦の場合はどちらか一人が当てはまればOK。コミュニティにもよるが、18才未満の子供の居住は通常認められない。

2.豊富な共用施設やイベント:多くのコミュニティにはプールやゴルフ場などのスポーツ施設、クラブハウスなどの共用施設が揃い、カードゲームなどの盛りだくさんのイベントが催されている。

3.HOA(Home Owner’s Association):HOAと呼ばれる自治組合があり、共用施設やイベント、地区内の道路などを管理。住宅のメインテナンスを提供することもある。HOAはこのようなサービスを行うための管理費を住民から徴収する

4.住宅サイズは小さめ:夫婦二人が住むことを想定しているので、住宅のサイズは小さめ。階段などがない、高齢者にも住みやすい家になっていることが多い。

5.医療サービスは無し:介護などの医療サービスは無いので、住民は自立して生活できる人に限られる。

6.一般的には周辺の似た物件よりも価格が安い。

リタイアメント・コミュニティとは言っても、まだまだ現役で働いている人も多く居住しているため、最近は55+コミュニティと呼ばれることが多くなっています。年齢制限のために購入できる人の数が少ないので、価格は通常は周辺の似た物件よりもかなり安めです。

例えば、パームスプリングス付近にあるHeritage Palmsという約400エイカーの土地に約千軒の家が建っているリタイアメント・コミュニティでは、クラブハウス、ゴルフコース、フィットネスセンター、プール、テニスコート、ビリヤード、自転車道などが整備されていて、ポーカー、ダンス、卓球、エアロビクス、BBQ、麻雀などのクラブがあります。2寝室の一軒家の価格は$550,000程度。、敷地内には戸建て住宅と2戸が一つの建物になっているDuplexがあります。

また最近ではディスニーがSotrylivingというブランド名で55+コミュニティ事業に参入しつつあり、南カリフォルニアではパームスプリングス付近のRancho Mirageでその第一号地区”Cotino”の建設が始まっています。Cotinoでは人工的なラグーンを囲んで、住宅1900軒、大規模ホテル、商業施設などが建設される予定で、ディスニーのノウハウを駆使したデザインやサービスが提供されるとか。

ご興味がある方がいらっしゃったら、ぜひご連絡ください。

Heritage Palmsのプール

Heritage Palmsの住宅

イーズメント【アメリカ不動産の言葉】

 

イーズメント(easement)とは、日本の地役権とほぼ同じで、”他人の土地の一部を特定の目的で使用する”権利です。イーズメントが設定されている部分であれば、所有者でなくても通過したり、使用したりすることができます。

イーズメントにはいろいろなタイプがありますが、最もよくあるのはUtility Easement (ユーティリティー・イーズメント)です。これはガス、水道、電気会社などのが、電柱を設置したり、ケーブルや管を地中に埋設したり、上空の電線などのメインテナンスのために立ち入る権利を設定したものです。その多くは敷地の境界線に沿って設定されます。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

次によく見るのが”通行のために他人の土地を利用する”権利を設定した、俗にDriveway Easement(ドライブウエイ・イーズメント)と呼ばれるイーズメントです。他人の土地を通過して公共の道路に出る必要がある場合などに設定されます。

隣同士でドライブウエイを共用してる場合は、Shared Driveway Easement(シェアド・ドライブウエイ・イーズメント)と呼ばれるイーズメントが設定されます。隣の家との境界線上に道路に出るドライブウエイがあり、そこを通ってそれぞれの家のガレージに入る場合などがこれにあたります。ドライブウエイの半分は自分の土地ですが、反対側の半分はお隣さんの土地なので、お隣さんの土地を自分が使ってよい権利と、自分の土地をお隣さんが使ってよい権利の両方が設定されます。

Driveway Easementなどは個人間での約束に基づくものなので、Private Easement(プライベート・イーズメント)とも呼ばれます。ちなみに、他人のイーズメントが設定されてる土地をSevient Estate(サーヴィエント・エステート)、他人の土地にイーズメントを設定している土地をDominate Estate(ドミネート・エステート)と呼びます。相手に権利の一部を提供している、つまりサービスしている側がSevient Estateなわけです。

イーズメントのほとんんどは登記されているので、不動産にどのようなイーズメントがあるかは登記された内容をまとめたタイトルレポートを読めば分かります。(タイトルレポート、タイトル保険についてはこちらをご覧ください。)「レポート中にイーズメントがあると記載されているけれど、具体的にどこにあるか分かりにくい」という場合は、レポートを発行したタイトル会社に「イーズメントの位置を地図に示してください」と頼むと、下のようなPlotted Easements(プロティッド・イーズメント)と呼ばれる地図を作成してくれます。不動産を購入する場合は、必ずイーズメントがあるか、もしもあるならどこにあるのかを確認しましょう。

plotted easement example

Plotted Easements(プロティッド・イーズメント)
緑の斜線がユーティリティー・イーズメントの位置。

 

タイトル保険【アメリカ不動産の言葉】

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タイトル保険とは、不動産の購入後にバイヤーや住宅ローン会社に対して、不動産の権利関係の問題に伴う損失や費用を保障する保険です。家を購入する際に、タイトル保険会社は公的な記録を詳しく調査し、不動産の所有権に関する未解決の問題や紛争がないことを確認します。この調査で発覚しなかった問題(例:抵当権、担保、所有権の紛争など)が、後から出てきた場合はタイトル保険によって費用や損失が保険契約内容に従ってカバーされます。

住宅ローンを使って購入する場合は、必ずタイトル保険が必要です。権利関係の問題が後から起きた場合、担保の価値が減少してしまう可能性があるからです。住宅ローンを使う場合は、住宅ローン会社を受取人とするタイトル保険と、購入者を受取人とする保険の2つのタイトル保険に入るのが普通です。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

住宅ローンを使わず、全額現金で購入する場合はタイトル保険無しで不動産を購入することは不可能ではありませんが、絶対にお勧めできません。不動産の所有権を補償する大切な保険ですので、タイトル保険には必ず入るようにしましょう。保険料はカリフォルニアでは一般的に売り手が支払います。保険料を一度支払らえば何十年でもずっと保険は有効です。毎月の支払いなどは生じません。

タイトル保険会社が公的記録の調査に基づいて作成するレポートはタイトルレポートと呼ばれます。タイトルレポートに書かれていることに関しては、「この事項については納得して買ったのだ」とみなされるので、タイトル保険の対象になりません。ですので、このレポートには何が書かれているかをよく読む必要があります。

購入契約を結んでエスクロー期間に入ると、まずPreliminal Title Report(プレリミナリー・タイトル・レポート。略称プレリム)と呼ばれる、その時点で分かっている権利関係の事実を書き出したレポートが渡されます。プレリムで確認すべきことはたくさんありますが、主に以下の事項は必ず確認しましょう。住宅ローンを使って購入する場合は、ローン会社が担保を守るためにタイトルレポートを詳細にみるので、「ローンが通る=タイトルレポートは概ね大丈夫」と考えていいとは思いますが、ローン会社が気にしない事項もありますので自分でよく確認することをお勧めします。

  • レポートに載っている所有者と契約を交わした売り手が同一人物(あるいは企業、エンティティ)か。
  • レポートに載っている不動産の位置や内容が契約書と同一か。
  • 当該不動産を担保としている未返済の借入金額(住宅ローンなど)。この金額が”購入額ー売り手側の経費”を上回っていると、売り手は不動産を売っても借金が全額返せないので、通常は取引が成立しません。ショートセールなどのプロセスが必要になります。
  • 売り手以外の人の不動産に対する権利はどのようなものか?(隣家と敷地の一部を共有している、電気やガス会社が敷地の一部を使う権利がある、など)
  • 不動産の使用について制限があるか(家や庭の外観、賃貸の規制など、不動産の使い方についてのCC&Rと呼ばれる規則がある場合など。)
  • 不動産が未解決の訴訟に関係していないか。(売り手が損害賠償などを求められていて、その不動産が関係している場合は、先に訴訟が解決しないと売買ができないことがある。)

プレリムに何か問題があった場合は売り手がその問題を解決し(例えば、借金を完済した証拠を登記するなど)、調査レポートもその点が変更され、最終的なタイトルレポートになります。

タイトルレポートから漏れてしまうかもしれない”予期せぬ権利関係の問題”とは、例えばどんなものなのでしょうか?以下がその例になります。

  • 過去の不正(署名の真似など)によって、今現在の所有権に問題が生じる場合
  • 不動産の新所有者が支払うべき予期せぬ借金が発覚した場合(未払い税金、裁判所による支払い命令、建築業者への未払い金など)
  • 不動産に対する第三者の予期せぬ権利が発覚した場合 (不動産が売り手以外の親族に相続されていた、など)
  • 不動産に対する第三者の予期せぬ使用権が発覚した場合 (隣家が敷地内を通行する権利が実はあった、など)

このようなことが万が一起こった場合は、タイトル保険で保障されます。

(注:上記はカリフォルニア州での不動産取引におけるタイトル保険の説明です。)

Photo by Alexander Andrews on Unsplash

Grant Deed(グラント・ディード)【アメリカ不動産の言葉】

A house with a pool

カリフォルニア州で不動産を売買するためには膨大な書類のやり取りが必要です。その中で最も重要な書類はGrant Deed(グラント・ディード)です。

不動産におけるグラント・ディードとは、不動産の所有権を移転する法的文書のこと。

不動産の売買契約書(Purchase Agreement)は、「〇〇の条件がクリアされたら買い手はこの物件を〇月〇日に〇ドルで買います。売り手は〇〇(情報提供や修理など)をいたします。」という、ある条件下で権利の移転を”約束する”書類で、権利を移転する書類ではありません。事実、契約書に双方が署名をしても、どちらかが契約を破って権利が移転されないこともあるわけです。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

これに対して、グラント・ディードは「この方にこの物件の権利を移転いたします!」と宣言している書類で、これがカウンティの登記所に登記されると、売買契約書があろうがなかろうが、お金がいくら払われていようがいるまいが、そこに書かれている人に不動産の権利が移ります。ということなので、グラント・ディードは不動産取引にとって最も重要な書類なのです。

ロサンゼルス郡の場合、グラント・ディードに書かれる主な内容は以下です。

  • APN番号 (その不動産のID番号)
  • 権利受け取る人(買い手)の名前
  • 権利を渡す人(売り手)の名前
  • ”所有権を移転致します”との宣言
  • 物件の位置や境界線情報
  • 権利移転手続きの手数料額

余談ですが、面白い(?)ことにここには売買額は書かれていません。

グラント・ディードは一般公開情報で、不動産関係者がアクセスできる不動産データベースにも情報が載っているのですが、そこには売買額がちゃんと書かれています。どうして売買額が分かるのか疑問でしたが、なんとそれは登記手数料が売買額によって決まることを利用して逆算しているのだそうです。ご苦労様なことです。

このような超大切なグラント・ディードに、不動産の売り手はいつ署名をするのでしょうか?「これに署名したら物件を手放すのと同じ。買い手からお金を全部もらって全て終わってから署名したい。」と思うかもしれませんが、実はそうはいきません。買い手は「購入額を振り込むのは、購入できることが確定してからだ。グラント・ディードが署名されるまでお金は渡したくない。」と思うかもしれないですし、エスクローに資金が揃ってから署名するのでは時間的に間に合わないからです。

カリフォルニアの場合、ここで登場するのがエスクロー会社。エスクローは双方が信頼する機関です。エスクロー会社は、まずは売り手からグランド・ディードに署名したものを通常はエスクロー期間が始まってすぐに預かります。次に買い手からのお金が揃ったところでグランド・ディードの登記を指示、利益を売り手の口座に振り込みます。このようにお金と物件の権利を確実に交換するのがエスクロー会社の最大の役目になっています。

登記が終わってしばらくすると、買い手に登記所からグランド・ディードに「確実に登記いたしました」という意味のスタンプが押されたものが送り返されてきます。これが日本における「権利書」にあたりますが、実はこの紙そのものには大きな重要性はありません。不動産業者用のデータベースにはスタンプ付きのグランド・ディードの画像がアップロードされていますので、必要ならいくらでもプリントアウトできます。紛失したり、郵送されてこなかったりしても特に問題ありませんし、次回の売買にも原本は必要ありませんのでご安心ください。

Photo by John Fornander on Unsplash

バンガロー建築(Bungalow Style) 【アメリカ不動産の言葉】

 

アメリカには時代によっていろいろな住宅建築スタイルがありますが、南カリフォルニアで20世紀初頭に大流行したのが、バンガロー(Bungalow)スタイル。アメリカではこの年頃に建てられた住宅がまだまだ現役で使われ、売買も普通に行われています。住宅購入をお考えの方は、リスティングサイトでバンガロー建築の住宅を見たことがある方も多いのではないでしょうか?

バンガローはインドのベンガル地方に由来する建築スタイル。熱帯気候に適応し、周囲の自然を窓やデッキから楽しめるので、温暖な南カリフォルニアにはぴったり。バンガロー建築の要素を一部を取り入れた住宅もその後たくさん建設され、ビンテージな本格バンガローや”なんちゃってバンガロー”があちこちに多数存在しています。ちなみに私がエージェントになって初めて販売した家もバンガロースタイルでした。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

1910-1930年代に建てられた本格的バンガロー住宅が集中する地区としては、アメリカ国家歴史登録財に指定されているのはパサデナのバンガローヘブン地区が南カリフォルニアでは最も有名です。約800棟があり見学ツアーも行われています。ロングビーチのBelmont Heights地区にもバンガロー建築が多く保存され、私もかなり前にこの中の一軒を販売させていただきました。

そんなバンガロー建築の特徴は:

1. 自然との調和:玄関前に広い屋根付きポーチがあり、椅子を置いてくつろぐことも可能。窓も多く周囲の自然を楽しめる設計。

2. 自然素材:構造や内装は木材や自然石が中心。外観も木の梁、柱、窓枠などの線を強調したデザイン。

3. オープンフロアプラン:ビクトリア建築では部屋が独立しているが、バンガローの内部はオープンな間取りで開放的。居間とダイニングも一体になっていて、現代建築に通じるものがあります。

4. シンプルなデザイン:当時としては余計な飾りを排除した直線的でミニマリストなデザイン。建築当初は他の建築スタイルよりも比較的ローコストで、中産階級向けの住宅として普及しました。

5. 低い屋根:バンガローの屋根は一般的に低く傾斜が緩やか。一階建てが主流です。

6. 独特の手作りディテール:大量生産に対抗し、職人の手仕事を重視したアーツ・アンド・クラフツ運動やクラフツマン様式の影響を受けた独特のディテールが特徴。例えば、アンバーや焦げ茶色のステンドグラス、シンプルなランプ、手作りの木製作り付けキャビネットや本棚、幅が広い玄関ドア、暖炉周りの手作りタイルなど。

手工芸の温かみと、現代建築の先駆けとも言えるシンプルさが調和したバンガロー建築は現代でも人気。コンディションが良く、バンガロー建築らしいディテールが揃っている住宅は高価格で取引されています。

gamble house

パサデナの有名なバンガロー建築、Gamble House

Gamble house Door

Gamble Houseの玄関部分

Lamp

Gamble Houseのライト

Bungalow house

ロングビーチの私が過去にお客様の購入をお手伝いしたバンガロー建築です。

バンガロー室内

バンガロー住宅

私がエージェントとして初めて販売した住宅もバンガロー建築でした。

 

 

”バスルーム数合計3.25”ってどういう意味?【アメリカ不動産の言葉】

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アメリカの不動産情報を見ていると、”この家のバスルーム数は1.5”とか、3.25、3 1/2など、バスルーム数が整数ではない表記を見ることがあります。「バスルームが3.25個って何?3は分かるけど、0.25ってどういうこと?」と疑問に思っている方の多いのではないでしょうか?ここではアメリカ不動産業界でのバスルームの数え方を簡単に説明したいと思います。

バスルームにとってはトイレ、シンク、シャワー、バスタブが4つの重要な要素であると考えられています。そこでアメリカ不動産の世界ではこれらの4要素が、それぞれバスルームの四分の一を構成していると見なして、以下のようにバスルーム数を数えます。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

  • フルバスルーム(Full bathroom) :トイレ、シンク、シャワー、バスタブの4要素が揃っているバスルームのこと。バスルーム数は”1”とカウント。
  • スリークウォーター・バスルーム(Three quarter bathroom): トイレ、シンク、シャワーがあるバスルームのこと。バスタブは無し。バスルーム数は”0.75”または”3/4″とカウント。
  • ハーフバスルーム(Half bathroom): トイレ、シンクのみのバスルームのこと。パウダールーム(Powder room)とも呼ばれる。バスルーム数は”0.5”または”1/2″とカウント。主にゲスト用。

上記のルールに従うと、フルバスルームが2つ、スリークウォーターバスルームが1つ、ハーフバスルームが1つある家の場合、バスルーム数の合計は3.25になります。(2+0.75+0.5=3.25)

これは非常に分かりにくい表記方法です。なぜかと言うと、スリークウォーターバスルームが3つ、ハーフバスルームが2つある家、つまりバスルームが普通に言うと5つある家も、不動産業界の表記方法によるバスルーム数の合計は上と同じく3.25になってしまうからです。また、フルバスルームが2つの家は合計バスルーム数は2ですが、フルバスルームが1つでハーフバスルームが他に2つあり、普通に数えるとバスルームが3つの家も、バスルーム数は2になってしまいます。合計数だけ見ても、一体いくつバスルームがあるのか分かりません。「種類なんかどうでもいいから、バスルームはどんなものでも1とカウントしてくれ」と言いたくなりますよね。

さすがに最近は”フルバス〇個、スリークウォーター〇個、ハーフ〇個”とタイプごとに数を書き込むフォーマットになっている不動産情報サイトが多いですが、中にはまだ全合計数を表記する方式のものも。そんなフォーマットにリスティングデータを入力する時は「これに意味あるのか?」といつも疑問に思っています。

ちなみに、一つのバスルームにシンクが二つあるダブルシンクのバスルームでも、シンクの分は1/4とカウントします。ダブルシンク、トイレ、シャワーがあるバスルームはフルバスルームではありません。またシャワー室が別にあっても、シャワーがバスタブの中にあっても「シャワー有」とカウントされます。

Photo by Sidekix Media on Unsplash

Homestead Exemption ホームステッド免除【アメリカ不動産の言葉】

homestead

住宅所有者の主な居住地、つまり自宅は英語でPreimary residence(プライマリー・レジデンス)と呼ばれますが、これをHomestead(ホームステッド)と呼ぶこともあります。投資物件や別荘はプライマリー・レジデンスでもホームステッドでもありません。

ホームステッド・エグゼンプション(Homestead Exemption。ホームステッド免除)とは、自宅を保護する目的で、固定資産税の負担を軽減したり、訴訟などでから自宅物件を守る法的制度のことです。ホームステッド免除の具体的な内容は地方自治体によって異なります。ここではロサンゼルス郡のホームステッド免除について説明したいと思います。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

一般の人にとってホームステッド免除の最もありがたい効力は固定資産税の減免です。住宅を購入した後、ホームステッドを申請すると、ロサンゼルス郡では固定資産税の評価額が$7000軽減されます。カリフォルニアでは年固定資産税は評価額の1%です。(この他に評価額に連動しないメロルーズという不動産所有者にかかる税金もあります。)ホームステッドを申請すると、$7000の1%、つまり年間 $70が固定資産税から減免されます。”自宅を守るために税金を減免する”という大義名分はすばらしいのですが、実際の額は年間たった$70。でも$70でも割引してくれないよりはマシですね。詳しくはこちらをご覧ください。

また、ホームステッドには訴訟などからある程度自宅を守る効力もあります。例えば誰かに訴えられ、裁判に負けて非常に大きな金額の損害賠償を支払うことになったとします。その際もホームステッドを申請してある自宅については、一定額までは自宅の価値が保護されます。豪邸に住んでいる場合は売って賠償に充てなければならないかもしれませんが、ホームステッドを申請してあれば、多くの場合、最低限の住宅がロサンゼルスカウンティ内で買えるとされる金額(毎年変わります。今現在は$600,000)まで売り上げ利益(=equity)を残してもらえます。詳しくはこちらをご覧ください。

ロサンゼルス郡では不動産を購入してしばらくすると、ロサンゼルス郡からホームステッド申請用紙が送られてくるので、もしもその不動産が自宅だったらホームステッドの申請をすることをお勧めします。もしも何も送られてこなかったら、ロサンゼルス郡のレコーディングオフィスのウエッブサイトから申請用紙をダウンロードして、自分で登記することもできます。

Photo by Timothy Eberly on Unsplash

Supplemental Taxって何?【アメリカ不動産の言葉】

カリフォルニアで不動産を購入、新しい近隣地区や近所のお店にも慣れてやっと落ち着いたと思ったとたん、Supplemental Tax Bill(サプルメンタル・タックスビル)と呼ばれる高額の請求書が突然地方自治体から送られてくることがあります。

サプルメンタル・タックスとは、固定資産税の請求書の一つで、家を購入して固定資産税が上昇したことために生じる差額の請求書です。現在、カリフォルニアの固定資産税は評価額(Assessed Value)の1%。不動産の売買が行われると、通常は購入額が新たな評価額になり、そこから物価上昇率か2%のどちらか低い方で毎年上がっていきます。ですので、かなり昔に売買された不動産だと、評価額はマーケット価格よりもかなり低くなっていて、固定資産税も安くなっています。 i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i

本来はエスクローがクローズしたその日に評価額が変わり、固定資産税もあがることになっているのですが、いきなりその日にお役所が変更を行うわけではありません。実際にはお役所が新たな税額を計算をするのは早くても数か月後、遅い場合は一年後ぐらいになることも。従って、家を買ってからしばらくは元のオーナーが支払っていた古い固定資産税額を引き続き支払うことになります。

例えば元のオーナーは何十年も前にその家を購入したため、評価額が$500,000で、その1%にあたる$5,000/年の固定資産税を支払っていたとしましょう。この家を$1,000,000で購入すると、本来の固定資産税は$10,000/年でも、しばらくは古い税額の$5,000/年を2回に分けて払うことになります。

ある日、やっとお役所がこの家の新しい固定資産税を計算することになりました。すると「あ、この家は343日前に売れたんだね。343日間は本来の固定資産税の半分しか払ってなかったんだ。その差額は今すぐに払ってもらいましょう。」となります。(日割りで計算されます。)お役所の方では数か月以上かかっているくせに、差額の支払は即座にしなくてはならないのが腑に落ちませんが、そんなことを言っても始まりません。その差額請求書が”サプルメンタル・タックスビル”なのです。

この話をすると時々「私たちの固定資産税はローン会社が払うことになっているから大丈夫です。」と言う方がいらっしゃいます。確かに住宅ローンの種類によっては、ローン会社が固定資産税額を毎月のローン額に上乗せして徴収してエスクローアカウントに貯金しておき、締め切りが来たら代わりに納税することもあります。ただしその際、固定資産税用として上乗せする額が”昔の安い固定資産税額”になっていることが多々あります。その場合はサプルメンタル・タックスは自分で払わなければなりません。

サプルメンタル・タックスビルが来ても驚かないためには、以下のように対策するといいと思います。

1.まず住宅ローン会社に電話してサプルメンタル・タックスビルが来たら自分で払わなければならないのかを確認。(今上乗せ徴収されている固定資産税がいつの評価額で計算されているか聞く。)

2.元のオーナーの固定資産税額を確認。(エスクロー中にもらうPreliminary Title Reportに記載されています。あるいは不動産エージェントに電話して聞いてください)

3.購入額から新しい固定資産税額を計算し、差額を確認する。(カリフォルニアの固定資産税は購入額の1%)

4.新旧の固定資産税の差が月額いくらになるのかを計算し、毎月その分を別に貯金しておく。

インターネット上の上記を計算するサイトを利用する方法もあります。またエスクロー中にもらうNHDレポートにも計算方法を示すページがあります。

P.S. 地方自治体は、固定資産税に加えて、Mello- Loos(メロルーズ)という特定地区の不動産所有者にだけかかるその他の税金上乗せして徴収するのが普通です。Mello-Loosは家の評価が変わっても通常は変更されません。Mello-Loosについてはこちらをご覧ください。

Mello-Roos(メロルーズ)って何?【アメリカ不動産の言葉】

カリフォルニア州の固定資産税は不動産評価額の1%です。でも固定資産税の請求書を見ると、1%の固定資産税だけではなく、様々な他の項目の支払いが加算されているのに気が付くと思います。公園費用、下水道区費用、水道区費用などが、便宜上固定資産税と一緒に徴収されています。

このように、恩恵を受ける地区(CFD, Community Facility district)を設定し、その中に不動産を持っている人に一定期間かける税金は”Mello-Roos”(メロルーズ)と呼ばれています。「新しい学校が必要。その学校に通えるエリアの不動産所有者に10年間、毎年一定額の費用負担をさせる」などがMello-Roosの例です。地方自治体がこのような課税をすることを許すCommunity Facilities Act というカリフォルニア州の法律を1982年に作ったのがMello さん(Henry Mello)さんとRoos さん(Mike Roos)だったので、このように呼ばれるようになりました。i i i i  ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i 

なぜこんなものができたのでしょうか。1978年にカリフォルニア州でProposition 13が法制化されると、地方自治体は勝手に固定資産税率を上げることができなくなりました。その税源不足を補う抜け道として、1980年代に、このように公共施設からの恩恵を受ける地区の不動産所有者に課税する方法が編み出されたのです。Proposition 13で「地方公共団体は新たな不動産税を課してはならない」と決められているのですが、Mello-Roos は、「不動産の価値に連動して税額が決められる固定資産税とは違う、なぜなら不動産所有者に不動産価値と関係なく一定の額を課税しているから」との、私から見れば一種の屁理屈によって課税が許されています。

古い街では大したことはないのですが、新しく出来た住宅地では、学校、公園、道路などの公共施設を作る必要があるので、Mello-Roosが非常に高いことがあります。ロサンゼルス付近ではValencia とSanta Claritaの一部の地区に高額のMello-Roosタックスがあることが有名で、場所によっては月額数百ドル以上になることもありますので要注意です。HOA(Housing Owners Association)の管理費はリスティング情報に明記されていますが、Mello-Roosについてはどこにも書かれていません。これらの地区で住宅を購入する場合は、必ず不動産エージェントにMello-Roosがいくらか事前に調べてもらうことが非常に大切です。住所をお知らせいただければ私の方でも調べられます。

 

プロパティ・タックス【アメリカ不動産の言葉】Property Tax

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Photo by New York Public Library on Unsplash

プロパティ・タックス(property tax)とは、不動産を所有している人や企業に課せられる税金、つまり固定資産税のことです。プロパティ・タックスは、日本と同様に地方税で、地方公共団体が徴収します。

アメリカの固定資産税率は州や地区によって大きく異なります。例えばハワイのオアフ島の固定資産税は不動産価格の0.35%と低く設定されています。一方、テキサス州の税率は通常は2%以上、高い地区では3%超になっています。

カリフォルニア州の固定資産税率は、1970年代に住民投票によって可決されたProposition 13と呼ばれる有名なリファレンダムによって、州内のどこでも一律に「購入時は時価(=販売価格)の1%、その後の上昇率は年最大2%」と定められています。つまり、1ミリオンドルの不動産を購入した場合、固定資産税は当初は年額$10,000。翌年は通常2%値上げされて年額$10,200になります。i i i i  ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i 

税率1%は平均的だと思いますが、カリフォルニアの不動産が素晴らしいのは、上述の通り、不動産価格は年15%以上上昇することがあるにも関わらず、税額は毎年インフレ率相当の2%しか上がらない点です。テキサス州を含む他の多くの州では課税標準額は毎年に見直され、それに連動して税額も変動します。周辺環境が良くなって地価が上がると、数年前の倍近い固定資産税を課税されることもあり得ます。このように突然税額が変わると、投資物件などでは予定していた利回りが実現できなくなることもあります。収入が一定の高齢者家庭などでは、家計が苦しくなって家を売らざるを得ない人も出てきます。これに対してカリフォルニア州では課税標準額の見直し(reassessment)は不動産売買時にしか行われません。カリフォルニアの地価は一般的には高めですが、将来の固定資産税額を予想できますので、安心して不動産を所有し続けることができます。

固定資産税の支払い方法ですが、ロサンゼルス・カウンティの場合は、年2回に分けて徴収されます。会計年度は7月1日から始まり、7月1日~12月末日までが前半期、1月1日から6月末日までが後半期になっています。前半分の固定資産税の締め切りは11月1日。12月1日までに支払わないとペナルティが課せられます。後半分の締め切りは2月1日で、4月10日までに払わないとペナルティが課せられます。

10月に入ると、登記をしたときに指定した郵送先に、固定資産税の前半分と後半分の請求書が一度に送られてきます。購入したばかりだと請求書が来ないことがありますが、請求書が来ても来なくても期日までに支払う義務があります。同封された返信用封筒を使って小切手を郵送するのが一番簡単ですが、郵送だと証拠が残らないので、ロサンゼルスカウンティのウエッブサイトからオンラインで支払うことを強くお勧めします。

固定資産税の請求書を見ると、1%の固定資産税だけではなく、様々な他の項目の支払いが加算されているのに気が付くと思います。ロサンゼルス市の場合は、コミュニティ・カレッジ費用、水道区費用、公立学校費用など、市内の不動産所有者が支払うことに投票によって決まった費用が、固定資産税と一緒に便宜上徴収されています。またその他にも、救急医療費用、公園費用、洪水コントロール費用、雨水コントロール費用などなども加算されているかもしれません。これらはMello Roosと呼ばれています。(Mello Roosについては稿を改めて後日解説したいと思います。)

これらすべてを合計すると、ロサンゼルス近辺の固定資産税率は概ね1.25%程度になることが多いようです。ただし実際の税額はエリアによって大きく異なります。不動産エージェントは簡単に現在のMello Roosには何があっていくらか調べることができます。不動産を購入する時には事前に調べてもらってください。また固定資産税は、自宅の場合はHomestead Exemptionという制度を利用して多少引き下げることができます。これについても後日解説したいと思います。

ポップコーン・シーリング【アメリカ不動産の言葉】Popcorn Ceiling

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ポップコーン・シーリング(天井)とは上の写真のような表面がボツボツと小さな凸凹で覆われている天井のこと。ボツボツがポップコーンのように見えるので、このように呼ばれています。音を吸収する効果があるので、アコースティック・シーリングと呼ばれることもあります。施工が簡単で安いポップコーン天井は1930年代から1990年代まで非常によく用いられてきました。皆さんもどこかで見たことがあるのではないでしょうか。

一昔前は大人気だったポップコーン天井ですが、現在では大変に嫌われています!売り物件の見学時にも「ええっ、ポップコーン天井なの?」と嫌な顔をするお客様がほとんど。嫌われる原因は、ポップコーン天井だと部屋全体がいかにも古臭く見えてしまう、埃が付きやすく、きれいに保つのが難しいなど。また古いポップコーン天井には吸い込むと肺がんなどの肺の病気を引き起こす有害な物質、アスベストが含まれている可能性があります。i i i i  ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i 

断熱性があるアスベストはいろいろな建材に広く用いられてきました。ポップコーン天井を作るために吹き付ける塗装剤にアスベストが混ざっていることも昔はよくあったようです。アスベストを建材や塗料に使うことはアメリカでは1977年に禁止されましたが、1977年以降もストックしてあった材料が使われた可能性があります。1980年以前に施工されたポップコーン天井には、もしかするとアスベストが含まれているかもしれない、と考えた方がいいかもしれません。

仮に天井にアスベストが含まれていても、切ったり削ったりせずにそのままそっとしておく分には健康への問題はないとされています。そうは言われても、「有害物質が含まれているかもしれない天井は気持ち悪い」と考える人は多く、アスベストはポップコーン天井が嫌われる大きな原因になっています。

それではポップコーン天井がある住宅は買わない方がいいのでしょうか?私はそんなことはないと思います。それはポップコーン天井はたいていの場合は比較的簡単に除去することができるからです。水で濡らして金属のヘラでこすっただけでとれることもあるようです。私の過去のお客様にはYouTubeでやりかたを見て、自分で除去した方もいます。(自分でやる場合は、アスベストが含まれていないことをまず確認してください。)専門業者もたくさんありますので、費用はかかりますが業者に委託して除去することも可能です。稀には除去が非常に難しいポップコーン天井もあるようですが、その場合はポップコーン天井を木やドライウォールの新たな天井で覆うこともできます。

もしも今ポップコーン天井がある家を売ろうとしてる場合は、比較的安く除去できるのであれば取り除いてからマーケットに出した方がいいかもしれません。

 

TDS 【アメリカ不動産の言葉】Transfer Disclosure Statement

Writing on a laptop

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アメリカでは不動産の売り手は、その不動産について自分が知っていることを取引が成立する前に買い手に知らせなくてはなりません。特にカリフォルニア州ではかなり詳しい情報を買い手に公開することが法律(California Civil Code Section 1102)で義務付けられていて、そのような情報公開無しに住宅不動産を売買することは、所有者が死亡しているとか、抵当流れ物件であるなどの、非常に特別なケースを除いては許されていません。

情報公開は決まった書式に情報を記入してそれを買い手に渡す方法で行われます。Civil Codeで決められた情報を公開するにはTransfer Disclosure Statement(TDS)と呼ばれる書式を使用します。この書類への記入は不動産を売る本人が行わなければならず、不動産エージェントが代わりに記入することはできません。不動産エージェントは記入する時に隣にいて相談にのったり、質問に答えたりすることはできますが、家を売る場合はあくまでご自分で手書きするか、電子署名の画面上でタイプする必要があります。i i i i  ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i 
主な情報公開事項は以下です。

  • その不動産にはどのような施設やアプライアンスが付属しているか?(雨どい、セントラルヒーティング、プール、網戸、節水型トイレ・シャワーなどの有無を記入)
  • 上記はきちんと機能しているか?もししていなければその詳細を記入
  • 壁、天井、屋根、基礎、電気システムなどの建物の構造的な部分に問題があるか?もし問題があれば、詳細を記入。
  • その他、不動産の価値を左右する重要項目ついて。例えば、カビ、鉛入り塗料などの健康に有害な物質が敷地内にあるか、壁やフェンスを隣と共有しているか、建築許可なしに増築をしているか、その不動産に関して訴訟されているか、など。

上記については、知っている限りのことをすべて正直に記入しなければなりません。もしも当然知っているはずのことが記入されていなかったり、偽りの記入があり、そのために不動産の買い手が損害を受けた場合、買い手は購入後に訴訟することができます。訴訟は事実を買い手が”発見”してから3年以内に行うことになっているので、相当長く訴訟のリスクが続きます。このような大切な書類なので、時間をかけて内容を理解して、注意して記入しましょう。

また、家を購入した時に行った建物調査など、その不動産に関する何らかの調査レポートを保管している場合は、どんなに古いものであってもTDSの添付書類として公開することになっています。またTDSの書式は頻繁に更新されているので、質問事項をミスしないためには最新の書式を使うことが大切です。

TDSはその他のDisclosure書類と一緒に契約書で決められた期間内にバイヤーのエージェントに渡されます。住んでいた人にしかわからない情報も記入されているTDSは重要な情報源です。住宅を購入する時は、この書類をよく読んで、何か疑問がある場合はバイヤーエージェントか、建物調査を行う調査士に質問してください。

以下が2022年10月時点でのカリフォルニアの最新TDS書式です。

TDS page 1

TDS page 2

TDS page 3

 

リスティング価格【アメリカ不動産の言葉】Listing Price

 

簡単に言うと、リスティング価格とは「だいたいこれくらいの価格以上で売れてほしい。」と売り手が希望している価格です。不動産は定価で販売されるわけではないので、買い手は、売り手の希望を考慮に入れた上、どのような値段を提示しても構いません。

不動産売買で最も重要なのはリスティング価格ではなく、マーケット価格(価格の相場)です。その理由は、リスティング価格とは単なる希望であって、それがいくらであっても不動産は結局はマーケット価格で売れていくからです。リスティング価格が高いと買い手がつくまで値下げすることになり、リスティング価格が低いと買い手が複数集まるので値段が上がり、不動産は最終的には相場で売れていきます。不動産を買うときは、リスティング価格にはこだわらずに、その不動産のフェアな価格であるマーケット価格のオファーを出すのが基本です。i i i i  ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i 

「ものすごく安く売りだしている家を見つけました!」と喜ぶバイヤーさんがいたり、「安く売りだしている家を探してください。」と頼まれたりすることがあるのですが、実際は安く売りだされた家を安く買えるわけではありません。最終的な売値は相場価格になるので、リスティング価格が安い家を探すことには、ほとんど意味がないのが実情です。それよりも、自分に必要な条件を備えていて、かつ相場価格が予算内の家をはっきりとイメージし、そのような家が現れたらリスティング価格は頭の隅に置くだけにして、どの家も相場の価格で売れるものとして検討するのがいいと思います。

例えば、「なるほど、いろいろな物件を見たところ都心から15分のこの地区に住む場合、私の予算である$850,000が相場の家とは、内部が古くて台所もリモデル必要、セントラルACも無い物件なのだな。でも3寝室2バスルームは確保できそうだ。その中でリビングルームが南面していて窓が大きい家を探そう。」と決める。ある日上記の条件に合う家が$750,000で売り出されているのを見たら、「ああ、この家は安く出ているが、どこかに欠点があるか、たくさんオファーが集まって結局最終的には$850,000になるのだろうな」、またすっかりリモデルされた素晴らしい一戸建てが$840,000で出ていても、「この家は相場よりもずっと安くでているな。結局は予算外の値段で売れていくのだろう。」と平常心で考える、といった具合です。

こう書くと「それならリスティング価格には何の意味もないのでは?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。多くの場合、家の販売を仲介するリスティングエージェントは、マーケット価格を精査し、それよりもやや低い価格を販売価格にします。ですので、家を見始めた当初はとりあえず「例外は多々あるが、ほとんどの家のリスティング価格は概ねマーケット価格なのだろう」と考えて検討を始めていいと思います。

また、リスティング価格によって、売り手の態度が分かります。リスティング価格が高い物件の売り手は、売る気があまりないのかもしれません。明らかに高すぎるリスティング価格を提示する売り手は、「万が一高値で売れたら売るが、売れなくても全く構わない」と考え、市況とは関係なく自分の都合で最低販売価格を設定してしまっている場合があります。このような物件にマーケット価格のオファーを提出しても、価格を下げさせるのは非常に難しいことが多いです。

逆にマーケット価格に比べてリスティング価格が低い物件の売り手は「売る気満々」で、リスティングエージェントのアドバイスにもちゃんと従っていると想像され、取引がスムーズにいく確率が高そうだと予想されます。このようなお得感のある物件と、前向きな売り手の元には多くのバイヤーが集まり、最終的な販売価格はリスティング価格を大きく上回ることが多々あります。家を売る場合は、リスティング価格はできるだけ低めにし、このような「売る気満々」の売り手であると見なされた方が有利だと思います。

 

ホームワランティ保険 【アメリカ不動産の言葉】Home Warranty Insurance

ホームワランティ(Home Warranty)保険って何?アメリカで生まれ育った人でも普通は知らないのではないでしょうか?認知度が非常に低い保険ですが、家を購入する際、カリフォルニア州のスタンダードな契約には、この保険をかけるのか、誰が保険代を払うのかなどが記載されます。家の販売、購入を予定している人はこの保険について知っておいた方がいいと思います。

誤解している人も多いのですが、ホームワランティ保険は、住宅保険(Home Owner’s Insurance, Fire Insuranceなど)ではありません。住宅保険は火災や風害など、家本体そのものに対する損害や、敷地内で起きた事故を補償するものです。ホームワランティ保険はそのような大げさなものではなく、家に付随しているアプライアンス、空調設備など、わりと頻繁に壊れることがある”家の機械的な部分”の修理を補償する保険です。アマゾンで電気製品を買うとワランティをつけるかどうか選択できますが、それを家の”部品”に一括してかけるようなものです。i i i i  ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i 

カリフォルニアでは家を販売する時は、売り手が1年分のホームワランティ保険料を支払うのが通例になっています。売り手はなぜこのような保険料を支払うのでしょうか?例えば2か月前に家を購入したA さんが、そろそろ寒くなってきたので初めて暖房をつけようとしたとしましょう。ところが暖かい空気が出てきません。どうやらヒーターが壊れているようです。Aさんが家を買い終わってから壊れたのなら、Aさんが直す必要があります。でも、もしかしたら、建物検査をした後、引き渡し前に壊れたのかも? 本当のところは誰にも分かりません。このような場合、売り手がホームワランティ保険に入っていれば、「あ、それはホームワランティ保険会社に連絡してください。」と言えば済み、揉め事を回避することができます。数百ドルを払うことで、このような揉め事がのリスクがなくなるのなら、売り手にとってもメリットが大きいと思います。

カリフォルニアにはホームワランティ保険会社はいろいろありますが、First American, American Home Shield, Fidelity Nationalなどが有名です。例えばFirst AmericanのValue Planという中間レベルのプラン(執筆時では年間$490ドル)では、冷暖房、ダクト、電気システム、ガレージドア、配管、トイレ、食洗器、ガスレンジ、オーブン、電子レンジ、害虫やネズミ(ネズミは一定種類のみ)、湯沸かし器などをカバーします。家の購入後1年内に何かが壊れた場合は、保険会社に連絡してコーリングフィー$85を払うと、故障が保険対象である場合は残りはただで修理あるいは交換してくれます。冷蔵庫、洗濯機、ドライヤーを保険対象に追加することもできます。どの会社のどのプランにするのかは、まず購入オファーを提出する時に買い手が提案します。売り手に違うプランを逆提案されたり、保険額の上限を提示されることもありますが、家の金額と比べると些細なものなので買い手の提案が通るケースが多いです。ホームワランティ保険は、自分で費用を支払えば一年後に延長することも可能です。また、家の売買に全く関係なく、家を持っている人なら誰でも加入できます。

何がいつ壊れるかは予測不可能なので、ホームワランティ保険に入ると得かどうかは分かりません。保険会社が商売として成り立っているのは、たぶん平均的には自分で修理した方が保険に入るよりは安くつくからなのではないかと思います。ただ、今は人手不足で家の何かが壊れてもコントラクターを呼んでくるのは非常に大変です。ちょっとした故障では5-6か所電話しても誰も来てくれないこともままあります。一方、この保険に入っていれば、保険でカバーされるものなら何が壊れても連絡先は一か所。自分でコントラクターを探す必要も、値段を交渉する必要もありません。このような利便性を重視する方は、ホームワランティ保険に引き続き入っておくことをお勧めします。

イニシャル・デポジット【アメリカ不動産の言葉】Initial Deposit またはEMD

提出したオファー(契約書)が売り手に認められ、エージェントから「オファーが通りました!今日からエスクローに入ります。おめでとうございます!」というメールが来た後、第一番目にやるべきことは何でしょうか?それはイニシャル・デポジットをエスクロー会社に送金することです。

(Initial Deposit)とは手付金のこと。契約が成立した証として、売り手ではなく、エスクロー会社に送金します。エスクロー会社はこれをエスクローがクローズする日まで預かっておき、決済の時に頭金に充当します。「イニシャル・デポジットは頭金の一部で、この部分だけ先にエスクローに送ることになっている」と考えていただけるといいと思います。イニシャル・デポジットはEMD(Earnest Money Deposit)と呼ばれることもあります。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i ii i i 

イニシャル・デポジットの金額は通常は購入金額の3%です。なぜ3%かというと、契約書内に太字で書かれている通り、リキダメ(Liquidated Damage 損害賠償予定条項)が購入額の3%だからです。売り手は、万が一買い手が契約を破って不当に購入を取りやめたなどの場合に契約額の3%を没収できることになっています。(契約書にあるキャンセル条項に従ってキャンセルした場合は問題ありません。)そのため、買い手は3%を初めからエスクローに預けておくことになっているのです。

イニシャル・デポジットは、通常は契約が成立から、つまり売り手がオファーにサインをしてから3営業日内に届けなせればなりません。こちらから送るだけでなく、この期間内に”Deliver”する、つまりエスクローの口座に資金が到着していなければなりません。契約によっては1営業日内に届けろと指定されることもあります。送り方も契約で指定されていて、通常はワイヤートランスファーです。

売り手がオファーにサインするのが夕方だったりすると、エスクローからの送金先の連絡は翌日になります。ワイヤートランスファーは午前中に銀行で行えばその日のうちに届くと思いますが、時間の余裕はほとんどないことがわかります。ですので、”オファーが通ったら、すぐ送金”と考えておいてもらった方がいいと思います。口座間で資金を移動してから送金するなどの時間はありませんので、あらかじめイニシャル・デポジット用の資金は当座預金などに用意しておいてください。

エスクローからの送金先のお知らせについてですが、最近はエスクローのメールをハッキングして間違った口座に送金させてしまう事件が起きて問題になっています。そのためエスクローは通常はバイヤーにだけしか送金先を知らせず、メールにもセキュリティがかかっていることが多くなっています。以前は私どもエージェントにも同じメールを送ってもらって日本語でお手伝いができたのですが、最近は難しくなっていることをご理解ください。送金先が分かったら、銀行に行く前に念のためにエスクロー会社に電話をして、口座番号を再確認してください。

Sewer Line Inspection 【アメリカ不動産の言葉】下水管調査

エスクローに入ったらまずやることの1つが建物検査。General Inspectionと呼ばれる一般的な検査をまずやり、問題点があればspecial inspection (専門的調査)をするのが普通です。

Sewer line inspectionはこのような専門的調査の1つです。ただアメリカ大都市都心部の住宅は築50~00年などへ築年数が高い場合が多く、そのような物件の下水菅(Sewer line)には問題がある場合があるので、General inspectionの結果を待たず、先にこの調査もしてしまうことがよくあります。

Sewer lineとは、公共団体が管理するメインの下水管と住宅をつなぐ菅のことです。トイレ、シャワー等からの排水菅は全てこの菅に接続されています。Sewer lineは、敷地外にある部分であっても住宅のオーナーが管理し、何かあった場合は修理する義務を負っています。つまり自分の家につながっている下水管は公共道路の下にある部分であっても、自分で修理や管理をしなければならないということです。なぜそうなっているかというと、当初住宅を建てたとき公共団体に”お願いして下水管をつながせてもらったからなのだと思います。(例外もあります。)i i i i  ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i 

検査は先端にカメラがついた非常に長いチューブを菅の掃除用の穴(clean out)から押し込んで内部を撮影する方法でおこないます。検査をやっている最中にインスペクターと一緒にモニターで撮影中の菅内部の様子を見ることができます。撮影したビデオを後からオンラインで見直すこともできます。

古い下水管はクレイと呼ばれる植木鉢のような材質で作られています。このような下水管は周辺の木の根が水を求めて入り込み、ひび割れを起こしていることが多々あります。根の侵入がさほどでもない場合は、時々業者を呼んで菅の中から根をカットすれば下水管は使用可能です。ただ、ひび割れが非常に大きく菅が壊れている、周辺の土の動きのため管が折れかかっている場合などは、内側からプラスチックを吹きつけて補強するか、稀には掘り起こして菅を交換する必要が出てきます。

下水管は地下に深く埋まっていることもあります。壊れた管を取り換える工事は非常に高額になる可能性があるので、家を購入する前に下水菅のコンディションをSewer inspection で確認することを強くお勧めします。

General Inspection【アメリカ不動産の言葉】ゼネラル・インスペクション

住宅を購入する際、オファーが売り手に認められ、契約期間(エスクロー)に入ったらまずやることの一つが、購入する住宅の建物検査です。通常は、この検査で何か重大な問題があった場合は、契約のキャンセル、あるいは値引き交渉が可能になります。

基礎、下水、屋根、暖炉、冷暖房、電気系統など、住宅にはいろいろなパーツがあり、それぞれに対して専門のインスペクターがいますが、パーツを個々に全部検査するのではお金も時間もかって大変です。そこで一番初めにGeneral Inspection(ゼネラル・インスペクション)と呼ばれる、広く浅い全体的な調査を行い、どこかに問題があると指摘された場合のみ、その部分の専門的検査であるSpecial Inspection(スペシャル・インスペクション)を行うのが普通です。アメリカでは病気になるといきなり専門医には行かず、まずはPreimary Care Doctorに行って診断を受けた後、専門医を紹介されると思いますが、建物検査もそのシステムと似ていると考えていただけると分かりやすいと思います。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i 

売買の仲介をするバイヤー・エージェントがインスペクターを紹介してくれると思いますが、自分で探してきてももちろん構いません。その際はASHI(Amerian Society of Home Inspectors)、 CREIA(California Real Estate Inspection Association)、 InterNACHI (International Association of Certified Home Inspectors)などのきちんとした協会に所属しているインスペクターを雇うようにしてください。

住宅の広さにもよりますが、General Inspectionには1時間から3時間ぐらいかかります。契約中とはいえ、他人の所有物である家を調査するので、インスペクターは原則的にはカーペットや家具などの私物を動かしたり、ねじを外すなどして建物や内部の現状を少しでも変えてしまうことはできません。アクセスできる場合は床下に入ったり、アプライアンスや冷房を動かしたりはできますが、あくまで家の中を目で見て(Visual Inspection)分かる範囲の調査になります。調査の前には不動産エージェントを通して、電気ガス水道が使える状態になっているか、ドアに鍵などがかかっていないか、ドアや電気、冷暖房を操作するリモコンがわかるところにあるか、給湯器などの口火がついているか、屋根裏や床下へのアクセスはどこかなどを確認し、動かす必要がある私物があればその許可を取っておくことが大切です。

初めから終わりまで調査に立ち会う購入者が多いですが、忙しい場合は立ち合いは不動産エージェントに任せて構いません。ただし調査の最後にインスペクターが口頭で調査結果を説明する際には、現場で説明を聞くことを強くお勧めします。

建物調査をすると、どんなにコンディションのいい家でも問題点が何十か所も出てくるのが普通で、報告書にはそれらが写真付きで列記されます。慣れない人が報告書だけを読むと、どの家も問題点だらけで驚くと思います。ただしそれらの問題点は同質ではありません。インスペクターが口頭で説明する時には、それらの問題点を「直さなければ危ない大問題」、「正しくはないけれど、他の多くの家でもこうなっているほとんど気にする必要のない問題」、「直した方がいいが、簡単に安く治せる問題」などに仕分けして説明してくれますので、家のコンディションを正しく理解することができます。また、専門インスペクションをした方がいいのかどうかもアドバイスしてくれます。