ホームワランティ(Home Warranty)保険って何?アメリカで生まれ育った人でも普通は知らないのではないでしょうか?認知度が非常に低い保険ですが、家を購入する際、カリフォルニア州のスタンダードな契約には、この保険をかけるのか、誰が保険代を払うのかなどが記載されます。家の販売、購入を予定している人はこの保険について知っておいた方がいいと思います。
誤解している人も多いのですが、ホームワランティ保険は、住宅保険(Home Owner’s Insurance, Fire Insuranceなど)ではありません。住宅保険は火災や風害など、家本体そのものに対する損害や、敷地内で起きた事故を補償するものです。ホームワランティ保険はそのような大げさなものではなく、家に付随しているアプライアンス、空調設備など、わりと頻繁に壊れることがある”家の機械的な部分”の修理を補償する保険です。アマゾンで電気製品を買うとワランティをつけるかどうか選択できますが、それを家の”部品”に一括してかけるようなものです。i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i
カリフォルニアでは家を販売する時は、売り手が1年分のホームワランティ保険料を支払うのが通例になっています。売り手はなぜこのような保険料を支払うのでしょうか?例えば2か月前に家を購入したA さんが、そろそろ寒くなってきたので初めて暖房をつけようとしたとしましょう。ところが暖かい空気が出てきません。どうやらヒーターが壊れているようです。Aさんが家を買い終わってから壊れたのなら、Aさんが直す必要があります。でも、もしかしたら、建物検査をした後、引き渡し前に壊れたのかも? 本当のところは誰にも分かりません。このような場合、売り手がホームワランティ保険に入っていれば、「あ、それはホームワランティ保険会社に連絡してください。」と言えば済み、揉め事を回避することができます。数百ドルを払うことで、このような揉め事がのリスクがなくなるのなら、売り手にとってもメリットが大きいと思います。
カリフォルニアにはホームワランティ保険会社はいろいろありますが、First American, American Home Shield, Fidelity Nationalなどが有名です。例えばFirst AmericanのValue Planという中間レベルのプラン(執筆時では年間$490ドル)では、冷暖房、ダクト、電気システム、ガレージドア、配管、トイレ、食洗器、ガスレンジ、オーブン、電子レンジ、害虫やネズミ(ネズミは一定種類のみ)、湯沸かし器などをカバーします。家の購入後1年内に何かが壊れた場合は、保険会社に連絡してコーリングフィー$85を払うと、故障が保険対象である場合は残りはただで修理あるいは交換してくれます。冷蔵庫、洗濯機、ドライヤーを保険対象に追加することもできます。どの会社のどのプランにするのかは、まず購入オファーを提出する時に買い手が提案します。売り手に違うプランを逆提案されたり、保険額の上限を提示されることもありますが、家の金額と比べると些細なものなので買い手の提案が通るケースが多いです。ホームワランティ保険は、自分で費用を支払えば一年後に延長することも可能です。また、家の売買に全く関係なく、家を持っている人なら誰でも加入できます。
何がいつ壊れるかは予測不可能なので、ホームワランティ保険に入ると得かどうかは分かりません。保険会社が商売として成り立っているのは、たぶん平均的には自分で修理した方が保険に入るよりは安くつくからなのではないかと思います。ただ、今は人手不足で家の何かが壊れてもコントラクターを呼んでくるのは非常に大変です。ちょっとした故障では5-6か所電話しても誰も来てくれないこともままあります。一方、この保険に入っていれば、保険でカバーされるものなら何が壊れても連絡先は一か所。自分でコントラクターを探す必要も、値段を交渉する必要もありません。このような利便性を重視する方は、ホームワランティ保険に引き続き入っておくことをお勧めします。