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Photo by New York Public Library on Unsplash

プロパティ・タックス(property tax)とは、不動産を所有している人や企業に課せられる税金、つまり固定資産税のことです。プロパティ・タックスは、日本と同様に地方税で、地方公共団体が徴収します。

アメリカの固定資産税率は州や地区によって大きく異なります。例えばハワイのオアフ島の固定資産税は不動産価格の0.35%と低く設定されています。一方、テキサス州の税率は通常は2%以上、高い地区では3%超になっています。

カリフォルニア州の固定資産税率は、1970年代に住民投票によって可決されたProposition 13と呼ばれる有名なリファレンダムによって、州内のどこでも一律に「購入時は時価(=販売価格)の1%、その後の上昇率は年最大2%」と定められています。つまり、1ミリオンドルの不動産を購入した場合、固定資産税は当初は年額$10,000。翌年は通常2%値上げされて年額$10,200になります。i i i i  ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i 

税率1%は平均的だと思いますが、カリフォルニアの不動産が素晴らしいのは、上述の通り、不動産価格は年15%以上上昇することがあるにも関わらず、税額は毎年インフレ率相当の2%しか上がらない点です。テキサス州を含む他の多くの州では課税標準額は毎年に見直され、それに連動して税額も変動します。周辺環境が良くなって地価が上がると、数年前の倍近い固定資産税を課税されることもあり得ます。このように突然税額が変わると、投資物件などでは予定していた利回りが実現できなくなることもあります。収入が一定の高齢者家庭などでは、家計が苦しくなって家を売らざるを得ない人も出てきます。これに対してカリフォルニア州では課税標準額の見直し(reassessment)は不動産売買時にしか行われません。カリフォルニアの地価は一般的には高めですが、将来の固定資産税額を予想できますので、安心して不動産を所有し続けることができます。

固定資産税の支払い方法ですが、ロサンゼルス・カウンティの場合は、年2回に分けて徴収されます。会計年度は7月1日から始まり、7月1日~12月末日までが前半期、1月1日から6月末日までが後半期になっています。前半分の固定資産税の締め切りは11月1日。12月1日までに支払わないとペナルティが課せられます。後半分の締め切りは2月1日で、4月10日までに払わないとペナルティが課せられます。

10月に入ると、登記をしたときに指定した郵送先に、固定資産税の前半分と後半分の請求書が一度に送られてきます。購入したばかりだと請求書が来ないことがありますが、請求書が来ても来なくても期日までに支払う義務があります。同封された返信用封筒を使って小切手を郵送するのが一番簡単ですが、郵送だと証拠が残らないので、ロサンゼルスカウンティのウエッブサイトからオンラインで支払うことを強くお勧めします。

固定資産税の請求書を見ると、1%の固定資産税だけではなく、様々な他の項目の支払いが加算されているのに気が付くと思います。ロサンゼルス市の場合は、コミュニティ・カレッジ費用、水道区費用、公立学校費用など、市内の不動産所有者が支払うことに投票によって決まった費用が、固定資産税と一緒に便宜上徴収されています。またその他にも、救急医療費用、公園費用、洪水コントロール費用、雨水コントロール費用などなども加算されているかもしれません。これらはMello Roosと呼ばれています。(Mello Roosについては稿を改めて後日解説したいと思います。)

これらすべてを合計すると、ロサンゼルス近辺の固定資産税率は概ね1.25%程度になることが多いようです。ただし実際の税額はエリアによって大きく異なります。不動産エージェントは簡単に現在のMello Roosには何があっていくらか調べることができます。不動産を購入する時には事前に調べてもらってください。また固定資産税は、自宅の場合はHomestead Exemptionという制度を利用して多少引き下げることができます。これについても後日解説したいと思います。