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プロポジション19。ダウンサイジングに朗報!

本日は、つい最近可決された、プロポジション19について簡単にご説明したいと思います。“子供が自立したので今住んでいるよりも小さな家に買い替えたい”、”リタイアしたので都心から離れた家に引越したい”、と思われる方は多いと思います。このような「ダウンサイジング」を行えば、住宅ローンの支払いを減らしたり、場合によっては住宅ローンを全く無くすことも可能です。 リタイアに向けてほとんどの方が考慮するこのダウンサイジングですが、これまでは一つだけ問題がありました。それは買い替えを行うと「固定資産税額が増加してしまう場合が多い」ということです。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i […]

物件を見る前にオファーを出す方法ーSubject

物件を見る前にオファーを出す方法ーSubject to Inspection

Subject to Inspectionという言葉を聞いたことがありますか? コロナウィルスの影響で不動産の見学が制限されている今(とはいえ、空き家やオーナーが一時立ち退いている物件は見学可能)、物件の内部が自由に見れないことがあります。バーチャルツアーなどで、驚くほど内部の様子がよくわかる物件がほとんどですが、やはり自分の目で見たいバイヤー、あるいは自分の目で見て確認した人に売りたいセラーがいるのが事実。そこで役立つのが”Subject to Inspection”オファーです。 サブジェクト・インスペクション・オファーとは、簡単に言うと「バイヤーが実際に家の中を見て、納得できなかったらすぐにキャンセルすることが許されているオファー(契約案)」のことです。通常は「見学は、購入価格3%のデポジットを預ける前にさせてください」、という文言も付け加えます。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]

よくある質問-エスクローに入ったらデポジットはいく

よくある質問-エスクローに入ったらデポジットはいくら払いますか? 契約をキャンセルしたたらデポジットは返ってきますか?

オファーが認められて、契約書への双方のサインが終わったら、まずデポジット(Earnest Money Deposit, EMDと呼ばれる)をエスクローをつかさどるエスクロー会社に送金します。このデポジットは3日以内(ウィークデイのみカウント)にエスクローの口座に到着していなければならないので、送金は契約が終わったらできるだけ早く行った方がいいと思います。(エスクロー期間、売り手と買い手が契約にはいってから実際に不動産の権利が移転するまでの期間、は約1か月あります。) デポジットの金額は契約で決めますが、カリフォルニアの場合は通常購入金額の3%です。つまり、$700,000で契約した場合は、その3%の$21,000を振り込みます。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]

よくある質問ーアプレーザルとは何ですか? それはど

住宅ローンを組む時、ローン会社が購入価格が適切であるかどうかを調べるのがアプレーザル(appraisal 価格査定)です。 当事者同士が『この家は一億円!』などと合意して売買契約を成立させても、その家の価値がそれだけあるとは限りません。もしも客観的な価値が5千万円しかなかったら、8千万円を貸し付けたローン会社は万が一の場合にその家を売って資金を回収することができません。このような事態を避けるために価格査定が行われるのです。 価格査定は売買契約成立後、できるだけ早く行います。売買契約には「査定額が契約額未満だったら契約をキャンセルしてよい」という特約事項が盛り込まれているのが普通で、その期間が14-17日ぐらいしかないからです。査定の費用はバイヤーが負担します。概ね$450~600ぐらいです。売買契約が成立するとすぐにローン担当者から電話がかかってきて、料金をクレジットカードで支払って欲しいと言われます。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]

不動産取り引きにおける“署名”について。海外からで

  不動産を売ったり買ったりする時には、契約書を’はじめ、たくさんの書類に署名をしなければなりません。アメリカでは印鑑は使わないので、「この書類に同意します」「この書類を確かに読みました」という証明は署名(サイン)で行うことになります。不動産取引では、署名をした書類そのもの(Wet Signatureと呼ばれます)のコピー、スキャン、ファックスなどを現物同様に扱うのが普通です。署名をした書類をスキャンしてEメールで渡すのが最も一般的で、オリジナルを郵送する必要も保管する必要も通常はありません。 取り引きに使う書類には、売り手と買い手の両方の書名欄があるのもが多くなっています。この場合は、片方が署名した書類のコピーにもう片方が署名し、両者が署名した書類のコピーを双方で保管するのが普通です。ただ片方が署名をするのを待っている時間がない場合などは、署名が必要な書類を2部コピーし、一部には売り手が、もう一部には買い手が署名する方法がとられることもあります。このように”カウンターパーツ”で署名しても、一枚の紙に両者が署名しているのと同様と見なされます。Please click the following link to read the rest of the article.  最近は「電子署名」も手書きの署名と同様に扱われるようになっています。Docusign、Digital Inkなどの電子署名サイトを使えば、メールアドレスに署名が必要な書類を送り、画面上で署名することが出来ます。これだとプリンターもスキャナーも要らないので大変便利です。私のお客様にも、ほとんど全ての書類を電子署名サイトを使って署名していただいています。ただ銀行によっては電子署名を不動産取り引きに使用しないところもあり、抵当流れ物件やショートセール物件の取り引きは従来どおり手書きの署名が必要なこともあります。 上記の例外はエスクローに提出する書類です。不動産エージェントがお客様に署名していただく書類は、契約書からはじまり、修理箇所の交渉、コンティンジェンシーを外すなど、大雑把にいうと”合意形成”のために使用されます。これに対して、全ての手続きが公正に正しく行われているかどうかを見極める「審判」の役割を持つエスクローからの書類は、”決まったことを確認する”書類と言えます。例えばカリフォルニア不動産協会のスタンダードな書類を使って双方が値引きに合意した場合、エスクローからくる同じ内容に書類にも署名しなければなりません。合意形成に加えて、確認の書類が必要だからです。確認・最終決定の機能があるエスクロー書類への署名はよりきびしく信憑性が問われるため、電子署名は使えない場合が今のところは多くなっています。署名した書類をスキャンしてEメールすればいい場合が大半ですが、エスクロー会社によってはオリジナルの現物(Wet Signature)を送って欲しいと言われることもあります。 さらに不動産を売り渡すことに同意するDEEDへの署名は、最も厳しく信憑性が問われるため、公証(Notary)が必要になります。アメリカ国内でこれを行うのは簡単で、街中のコピーセンターなどでNotary Publicをやっているところを探し、書類と身分証明書を持っていき、$10-15ほど払ってNotaryの資格のある人の目の前で署名すればおわりです。不動産の名義が夫婦片方のものになっている場合、もう片方の人がQuite Claim Deedに署名しなければならないこともあります。不動産を購入する場合も、夫婦片方だけの名義にする時は、もう片方の人がQuit Claim Deedに署名しなければなりません。 ただしアメリカ国外だと話が違ってきます。公証できるところは国外では通常アメリカ大使館のみになり、地方にいる場合などは大使館のある都会まで行かないと公証ができません。しかも日本のアメリカ大使館の公証は非常に混んでいて、予約が1ヶ月ほどとれないことも。(日本は公証についての協定を結んでいるので、本来は日本の公証がアメリカで通用するはずなのですが、登記事務所に前例がないと問題になる可能性が否定できません。そのため、通常は大使館で公証してもらうことをお勧めしています。)本人及び夫婦の片方が海外在住だったり、海外出張が多い場合は、誰がDeedに署名しなければならないのかを出来るだけ早く調べ、計画を立てておく必要があります。 このようにみていくと、不動産取引の署名については、本人がアメリカ国内にいなくても十分対応できることが分かっていただけると思います。Eメールさえ使えれば、本人が全世界のどこにいても、ロサンゼルス市内にいるのと同じスピードで手続きをすすめることができます。公証は国外だと面倒になりますが、これもあらかじめ予定を立てておけば大使館とフェデックスを利用して対応できます。

「クレジットスコア」はアメリカ人にとっての人格証明

人種も生まれた場所も考え方も全く違う雑多な人々が集まって住む国アメリカ。「この人は信用できるのか?」と疑問に思っても、文化背景の違う相手を自分の常識だけで判断することは出来ません。自分の常識からは外れていても、相手はその人の文化に沿ってきちんと行動していることもあるからです。 それではアメリカではどうやって相手が信用できるかどうかを見極めるのでしょうか? 答えはズバリ、クレジットスコアです! 借りたお金を約束どおりきちんと返しているか、買ったもの、受けたサービスに対して支払いをすぐにしているかどうか・・つまりお金に対してきっちりした態度でいるかどうかの情報はEquifax, TransUnion, Experianという3社の調査会社に集められ、各社が個人の信用度をあらわす「クレジットスコア」をアメリカ人およびアメリカに暮らす人々に対して算出しています。Please click the following link to read the rest of the article. 住宅ローンを組むなど、お金を借りるときはこのクレジットスコアを示して「私はお金に対してきちんとした人間です」ことを証明しなければなりません。スコアが悪いと「ハイリスク」と見なされ、普通の人よりも高い利子を支払わなくてはならなくなります。アパートを借りるときにも、大家さんはほぼ必ず賃貸人のスコアを調べます。スコアが悪いとアパートを借りるのも一苦労です。就職時にも企業がクレジットスコアをチェックすることがかなりあり、スコアがいい人ほど採用されやすいと言われています。それどころか、私の聞いた話では結婚前、あるいは結婚を前提としたお付き合いに入る前にお互いのクレジットスコアを見せ合う場合もあるとか。実際お互いのクレジットレポートを見せ合ってから結婚したという私の同僚は「当然のことでしょ。向こうの借金をこっちが背負い込むかもしれないんだから。」と言って、驚く私に対して逆に驚いていました。いくら相手を気に入っていてもクレジットが悪かったらすっぱりと見切る….のでしょうか。でもお金は離婚原因のチャンピオンですから、現実的に考えるとこれは正しい対応ですね。余談ですが、これを聞いて「うちの子供が結婚するときには絶対相手のクレジットスコアを調べるぞ」と決心した次第です。 クレジットスコアの具体的な算出方法は公開されませんが、一般的に言って「お金を借りて、それに対する決まった支払をきちんとしている」という”実績”が長期間しかもある程度たくさんあるほどスコアはよくなります。いくら資産があるかはクレジットスコアに影響しません。つまり10億円の預金が銀行にあっても、一度も借金したことのない人のスコアはあまり良くないことになります。「自分の持っているお金の範囲で借金せず暮らすことこそが人間のきちんとした生き方。なんでそれでスコアが悪くなるんだ!」と思う方、ご説ごもっとも。でもそれを曲げてある程度借金をしないとスコアがよくならない→肝心な場面で信用に足る人間だということを証明できない。これがアメリカの現実なのです。 スコアを上げるためには、まず何はともあれクレジットカードをつくりましょう。(「クレジットがないからクレジットカードをつくれない」と言われた場合は、自分の預金がある銀行などでSecured Cardと呼ばれる自分の預金を担保に借金をする初心者向けクレジットカードを作ってください。しばらくすると普通のクレジットカードを作れるようになります。)生活費をそのカードで払えば、月末に支払いをするまでは「借金」したことになります。Netflixや携帯電話の支払いもクレジットカードの自動引き落としで行うようにします。アメリカで住宅ローンを使って家を買う可能性のある人はもちろん、アメリカに長期間住むつもりの人はできるだけ早くクレジットカードを作り、良いクレジットを形成することをお勧めします。

今年も固定資産税支払い期日が迫ってきました

  今年も固定資産税の支払い期日が迫ってきました。 固定資産税とは土地や家を所有する人が地方公共団体に納める税金のことです。固定資産税の会計年度は7月1日に始まります。固定資産税の税額は通常は土地+家の評価額(評価額は通常は購入価格をベースとして毎年少しずつ上昇します)の約1~1.2%程度で、一緒に徴収する様々な税金(例えばその家の周辺の公園整備費などに)よって異なります。 固定資産税はその半額を11月1日に、残りを2月1日に収めることになっていて、第一回目の支払いを12月10日までにしない、あるいは第二回目の支払いを4月10日までにしないと10%という高額のペナルティがついてしまいますので、要注意です。Please click the following link to read the rest of the article.  通常は請求書が送られてきますが、仮に請求書が来なくても期日までに支払う義務があります。「請求書が来なかったからいくら払ったらいいかわからなかった・・・」など言っても、容赦なくペナルティをとられてしまいますので、ご注意ください。特に不動産を買って一年目は請求書が届かなかったり、誤って前の持ち主に行ってしまうこともあります。10月に届かなかった、あるいは2月の支払いが必要な場合は必ずカウンティの固定資産税の納入先に問い合わせてください。また購入してすぐは固定資産税の計算がまだ新しい価格に対応していないと思いますが、とりあえずは請求された額を支払い、後で清算します。 住宅ローンを組んだときにimpound accountが設定されてて、ローンの支払いに合わせて固定資産税を月割りにした金額をローン会社に振り込んでいる場合があります。この場合もローン会社が期日どおりに固定資産税を支払っているか、必ず確認してください。万が一払い忘れがあると最終的には自分の責任になってしまうので。 前の持ち主が少ししか固定資産税を払っていない場合、清算でかなり多額の税金(Supplemental Tax)を要求されることもあります。その分の金額を徐々に積み立てるなどして予定しておいて下さい。 7月1日  固定資産税会計年度開始。 前年までの未払い固定資産税がある場合は、その分についてさらにペナルティが上昇。 9月15日 固定資産税評価額に疑問がある人が申し立てができる最終日 10月 請求書の送付 11月1日 固定資産税前半の支払い締め切り 12月10日 前半の支払い未納の場合は、この日以降は10%のペナルティ 2月1日 固定資産税後半の支払い締め切り 4月10日 後半の支払いが未納の場合は、この日以降10%のペナルティ 6月30日 会計年度最終日    

家に欠陥がある場合、売り手は修理する義務があります

答え:ありません! 家の売買というのはお店で掃除機や洗濯機を買うのとは大きく異なります。壊れている掃除機や洗濯機を買わされたら誰でも怒ると思いますが、不動産とは実は「壊れたまま」売って当たり前の商品。新築なら多少話は別かもしれませんが、ほとんどの不動産は建ってから長い年月が経っているので、ホームインスペクターが調査をすれば現在の基準などに合わない箇所が山のように出てくるのが普通です。そのような修理箇所を全部売り手が直すなどは到底期待できません。Please click the following link to read the rest of the article. お客様の中には「壊れている家を売るとは何事だ」とか、「明らかに欠陥があるのに修理費を出さないなど、売り手が間違っている」などと憤慨されてしまう方も稀にいらっしゃいますが、それは不動産取引と普通の物品の売買を同じと見てしまう考え方からきているように思われます。現代の消費者はいろいろな法律で守られているので、お店で壊れたものを買わされ、しかもそれを直してもらえないなどは考えられません。ところが、不動産の売り手には「欠陥が無い状態で家を売る」などという義務は全くなく、「知っている問題があったら必ず知らせる」「買い手が自由に家や周辺の状態をチェックできる機会を与える」という義務しかありません。つまりこのような義務さえ果たせば、どのような欠陥住宅であっても売って構わないのです。事実、半分火事で焼けた家、雨漏りのためにカビで部屋が覆われた家なども普通に取引されています。 買い手は調査期間に出来るだけの調査をし、その結果を見て予想外の大きな欠陥があれば修理や修理代を請求します。売り手はその請求に応じても応じなくてもよく、買い手はその反応を見て、買うのか、買わないのかを決めることになります。 それでは売り手が修理や修理費請求に応じることが期待できる家の欠陥とはどういうものなのでしょうか。例えばロサンゼルス周辺では平均的な築60年程度の家を買うとしましょう。築60年の家に普通に起きる消耗による問題、いわゆる「ガタがきている」状態に対する修理は「築60年なんだからしょうがないだろう」といわれてしまうだけでなかなか修理に応じてはもらえません。また家を見たときに専門家でなくてもすぐ分かったはずの問題も「家を見に来たときに分かったはずなのに、何で今頃文句をいうのだろう」と思われてしまいます。売り手が「これは言われてもしかながない」と思うのは、それ以外の普通のアメリカ人の常識から見て「予想外」の問題。売り手が値段をつけた時点で築年数などからは予想できなかった欠陥で、例えば「床下をチェックしてみたら基礎にヒビが入っていた」とか、「家から出ている下水管が割れていて掘って取り替える必要アリ」などがそれにあたります。 現在は売り物件が少ないのに家を買いたい人はたくさんいる「売り手市場」です。一つの家にいくつものオファーが集まる状態なので、家の欠陥が見つかってもその修理の請求に応じる売り手はなかなかいなくなっています。その欠陥を公開してもう一度マーケットに物件を戻せば、またたくさん買い手が集まってくるからです。 オファーを出すときは、上記を考慮に入れた上で金額を考えるようにしましょう。またこれから家を売ろうとしている人の場合は、「これは言われてもしかたがない」と思うような欠陥を事前に全部見つけておき、あらかじめ買い手に知らせておくのがいいと思います。売り手市場の場合は、買い手がまだ他の買い手と競争している状態の中で欠陥を知らせておいた方が、買い手に納得させやすく、時間の節約になるからです。

家に含まれるもの Fixtureって何?

不動産を買う時、皆さんその“不動産”には何が含まれているかご存知ですか? 土地、屋根、柱、床、基礎、窓、塀などなど、不動産は様々なパーツから構成されています。不動産を買う時は、そのパーツを全部まとめて買っているわけですが、中には「これは不動産の一部なのか?」と迷うようなものもあります。  例えばダイニングルームの素敵なシャンデリア。これは不動産の一部でしょうか? 正解はYES。バイヤーが家を見に来て買うと決めた時にそのシャンデリアがそこにあったら、どんなに高価なものであってもセラーは断り無しに外して持っていってしまうことは出来ません。一般的に、家の構造にしっかりとくっついていて、簡単に外せないものは“フィスクチャー”と呼ばれ、不動産の一部と考えられています。 Please click the following link to read the rest of the article.  では次の質問。リビングルームの窓にかけられている素敵なカーテン。これは不動産でしょうか? Yesと答えた人、正解です! カーテンなんか簡単に外せそうですが、カリフォルニア一般的契約書では不動産に分類されています。ブラインドも同様です。家を売る場合は、次の家に持って行きたい高価なシャンデリアや照明器具、カーテンなどはあらかじめ外して、置いていって構わないものに付け替えておきましょう。 それでは洗濯機や乾燥機は? 「あれは重いから簡単に動かせない。だから家の一部。」と答えた人、残念ながら不正解です。いくら重くても、コンセントやガス管などにつながっているだけでは、家の一部とはいえません。ただ確かに動かすのは大変なので、洗濯機、乾燥機、冷蔵後、独立式のガスレンジなどは置いていってくれるセラーも多いのは確かです。  家具や壁の絵などはもちろん不動産には含まれません。ただし作り付けの棚は家の一部です。それではファミリールームのフラットスクリーンTVはどうでしょうか? これはコンセントでつながっているだけですので、家の一部ではありません。ただしTVを支えているブラケットは不動産の一部です。  では、家の外はどうでしょうか? プールはもちろん不動産の一部です。家だけではなく、地面にしっかりと固定されているものは不動産になります。植木や塀デッキなどももちろん不動産。でも玄関前においてある鉢植えは不動産ではありません。ただし据え置き式の噴水などは、その地面や構造物への固定の方法によっては不動産の一部かどうか、簡単には言えないものもあります。  このように家の中には不動産かそうでないかがぱっと見ただけでは分かりにくいものがあります。家を売る場合は、売り出す前に不動産エージェントと一緒に家を一回りし、家と一緒に売りたくないもののリストを作成するといいと思います。契約上通常は家に含まれないものでも、誤解を与えそうなものはリストに入れておきましょう。取り外してしまうのが理想的ですが、それが無理なら「これは取引に含まれない」とバイヤー側のエージェントに事前に知らせて置く必要があります。  家を買う場合は、セラーが何を家と一緒に売るつもりなのか、できれば事前に聞きだしておくのが得策です。もしも分からない場合や、調べる時間が無い場合は、できるだけ何も要求しないほうがいいと思います。繰り返しになりますが、今は売り手市場なので、細かいことでもめない方がいいからです。  オファーが通った後で、もしも欲しいものがあったら頼んでみると以外にすんなりと置いていってもらえることもあります。重くて動かすのが大変そうなものほど、置いていってもらえる可能性が高いと思います。私がつい最近バイヤーをお手伝いしたケースでは、セラーがベッドとドレッサーのセットを置いていってくれました。またセラーさんをお手伝いしたケースでは、親切にもフラットスクリーンTV、ダイニングセットなどを置いていき、バイヤーはとても喜んだと聞いています。(契約外のものを置いていく場合は事前に相談する必要があります。)

ホームラワンティ(Home Warranty)保険

  皆さん、ホームワランティ保険とは何かご存知ですか? ほとんどの方は「そんな保険、聞いたことがない」とおっしゃると思います。  火災保険、地震保険、洪水保険などは不慮の事態に対応する保険ですが、ホームワランティ保険は家の日常的な“故障”をカバーする保険。基礎、柱、屋根などの家の構造的な部分は保険対象外で、ガレージのドア、ヒーター、トイレのタンク、皿洗い機など、家の機械的な部分を中心にしています。Please read the rest of the article by clicking the following link.  カリフォルニアでは家を売るときは売り手がこの保険を1年分かけるのが通例になっています。その理由は家を売った直後の面倒ごとを避けたいから。例えばバイヤーさんが引っ越してきた日、シャワーを浴びようとしたらお湯が出なかったとしましょう。そんな時に「買った翌日に湯沸かし器が壊れるなんて、壊れそうなのを知っていたはずだ!」などと文句を言われてあたふたするよりは、「ホームワランティをかけてありますから、どうぞ担当者に連絡してください」と言った方が売り手にとってははるかにラク。中にはホームワランティをかけない売り手もいますが、その場合は買い手が自分で入ることも可能です。  たとえばFirst American Home Buyers Protection Corporationというカリフォルニアの比較的大手ホームワランティ会社の場合、5000SQFT未満の一軒家の2014年現在のエアコン無しの保険料は$275、エアコン有りだと$390。コンドミニアムだとエアコン無しで$240ドル、エアコン有りで$345になっています。対象になるのは、屋根裏の換気扇、備え付け電子レンジ、シーリングファン、皿洗い機、家の中のダクト、ガレージドアオープナー、台所のガーベージディスポーザー、暖房施設、オーブン、ガスレンジ、排水管、電話線、湯沸かし器、室内ジャグジーのモーター、電気配線、電気のパネル、スイッチなど。追加料金を払うとプールや冷蔵庫なども対象になります。  何か故障した場合、担当者に電話して$60のサービスコール料金を支払うと故障が保険対象内の場合は無料で修理してくれます。ただし、家購入時にすでに壊れていたものは対象になりません。健康保険や自動車保険同様、何が対象で何が対象でないかは非常に細かく契約書に書いてあるので、サービスコール料金を払う前にきちんと契約書を読んだほうがいいと思います。  南カリフォルニアのホームワランティ保険会社には他にもAmerican Home Shield (AHS), Fidelity National Home Warranty, Old Republic Home Warrantyなど、たくさんの会社があり、保険料や保険対象、サービスコール料金が微妙に違います。 家を買う時は買い手が使いたいホームワランティ保険会社をオファーに書き込むのが普通。でもオファーを出すときは金額を始め、決めなければならない重要事項がたくさんあるので、ホームワランティまで手が回らないことが多いようです。そのため不動産エージェントが適当な会社を選んで書き込むケースが多くなっていますが、できれば時間がある時にホームワランティ会社を比較検討して、使いたいところをあらかじめ選んでおくといいかもしれません。Home Warranty Review.Comのような比較サイトもあります。  

アメリカで家を買うにはいくら頭金が必要なのでしょう

アメリカで家を買うにはいくら頭金が必要なのでしょうか?

アメリカで家を買うにはいくら頭金が必要なのでしょうか? 日本国籍の方の場合、まずアメリカでローンが組めるかどうかを初めにチェックする必要があります。ソーシャルセキュリティ番号、クレジットヒストリー、就労許可と定収入があれば普通はローンが組めます。詳しくは、また別のブログ記事で説明したいと思います。 さて、頭金ですが、頭金は英語ではDown Payment。家を買うときに、キャッシュで支払う額のことで、購入価格から頭金をマイナスした額がローンの借入額になります。 エスクローに入るときにまず用意する手付金(Earnest Money Deposit = EMD)とは違うのでご注意ください。手付金は南カリフォルニアでは通常、購入金額の3%になり、エスクロー中に契約書内で許された手続きに基づいて契約を解除した場合は、手付金は基本的には全額戻ってきます。(エスクロー会社に、エスクロー中にかかった経費をとられるケースも稀にあります。)   頭金の最低額はローンのタイプによって異なります。 コンベンショナルローンと呼ばれる普通のローンの場合、頭金の購入額に対する割合は自由に設定できます。クレジットスコアが非常にいい場合は、ローン会社にもよりますが、5%程度の頭金でもローンを組むことが可能です。ただし、頭金が少ないと毎月の支払額が大きくなり、それを支払っていくのに十分な収入が必要になります。 頭金が20%以下の場合は、PMI(Private Mortgage Insurance)という保険料の支払いが毎月生じます。頭金が低いローンは危険が高いと見なされます。そこでローンの支払いが滞った場合、ローン会社をカバーーするための保険をかけるのですが、その支払いはローンの借り手が行わなければなりません。PMIはローンの支払いが進んで、ローンの総額が家の価値の80%以下になるまで続けることになります。 ということなので、PMIが必要ない頭金20%以上がもっとも有利ですが、10%、15%程度の頭金で家を買うバイヤーはたくさんいます。 FHAローンと呼ばれる政府のプログラムを使用すると、頭金は購入額の3.5%まで抑えることが出来ます。その場合、家の価格が40万ドルだとすると、頭金は1万4千ドルあればいいことになります。   頭金が多いほど毎月の支払額は減りますので、「頭金が多いほど安心」であることは確かです。ただ、頭金を増やすために貯金をすべて空にしてしまうのはお勧めできません。万が一のための予備の資金、家を購入した後の修理費や家具購入代などは現金で確保しておく必要があります。また家の購入には購入価格の約3%にあたる「クロージングコスト」もかかります。(クロージングコストはセラーからキャッシュバックしてもらってローンに組み込むことも出来ます。)   頭金20%以上が一番有利であることは確かですが、「頭金20%が貯まるまで家を買うのは延期する」のがいい対策かどうかは時期によってことなります。家の値上がり率が貯金のスピードを超えている場合、「いくら貯金しても家の値上がりに追いつかない」という事態が生じかねません。そのような場合は、頭金が低くても、ローンが組めるのであれば値上がり前に家を確保したほうが得策だと思います。   地区ごとの値上がり率や家の価格については、お気軽にユカリ・トラヴィスrealtoryukari@gmail.comまでメールでお尋ねください。  

コンドミニアムの購入

コンドミニアムの購入

 コンドミニアムは戸建てに比べると値段も比較的安いので、初めて家を買う方で予算が限られている場合や、忙しくて家のメインテナンスに時間をかけられないプロフェッショナルの方にとっては魅力的なオプションだと思います。多くのコンドミニアムにはプールやジムなどもあり、立地も便利。ロサンゼルス中心部だと戸建ては1925年から1945年ごろに建てられたものが多くなりますが、コンドミニアムはそれよりはずっと新しく、バスルームや部屋が広々として機能的。現代的な暮らしに慣れた人には戸建て住宅よりも住みやすいかもしれません。   ただ、コンドミニアムを買うということは自分のユニットを所有するということだけではなく、土地と建物を所有しているホームオーナーズアソシエーション(HOA)の一員になることも意味します。それはいったいどういう意味を持つのでしょうか? HOAの役割には、建物のメインテナンスや管理を行い、規約やルールをメンバーに守らせ、予算を管理し、コンドミニアムの財政的な安定を確保すること、などが含まれます。ほとんどのHOAではメンバーは毎月共益費を払い込むことになります。この共益費には通常、共有空間にある樹木の管理、建物の外部のメインテナンス、ゴミの収集、保険料、セキュリティ費用、プールやジムなどのレクリエーション施設のメインテナンス費などが含まれます。. 共益費の額は通常MLSに記載されていますが、金額以上の細かいことは実際にオファーがアクセプトされてエスクローに入らないとはっきりは分からないことが多いのが実情です。エスクローに入るとバイヤーにはHOAドキュメントと呼ばれる分厚い書類を見る権利があります。それにはHOAの規約、過去12ヶ月のHOA集会の議事録、共益費がカバーする費用の内容などが書かれています。 HOAドキュメントは100ページ以上に及ぶことが多く、コピーがたいへんなのでオファーがアクセプトされないと手に入らないのが普通なのです。(HOAが書類の管理を専門にする外部会社と提携している場合は、費用を支払えばエスクローに入る前に入手できる場合もあります。) 以下がバイヤーがHOAドキュメントを読むにあたって気に留めておくべきポイントの一部です。 共益費の金額とそれが何をカバーするのか? (時には水道代などが含まれていることもあります。) HOAが管理するものと、住民が個人で管理するものの区分 スペシャルアセスメントと呼ばれる、一時的に共益費を通常より多く徴収する予定が決まっているか? 不測の事態に備えた予備費が積み立てられているか? 共益費未払いの率はいくらか? ペットや喫煙などの禁止事項 コンドミニアム専門のメインテナンス会社をつかっているかどうか 買おうとしているユニットは賃貸に転用できるか?賃貸に転用できるユニット数の上限が決まっているか? 入っている保険の内容。最悪の事態、建物を建て直す費用が補償されているか? 住民同士の関係はうまくいっているか? 議事録から争いごとが読み取れるか? コンドミニアムの購入についてご質問がある方はどうぞお気軽にユカリ・トラヴィスrealtoryukari@gmail.comまで御連絡ください。.

カリフォルニアのフォークロージャープロセス

カリフォルニアのフォークロージャープロセス

ここでは簡単にカリフォルニアのフォークロージャープロセスについて説明してみましょう。物件が抵当流れになるまの仕組みが分かっていただけると思います。 上の図をご覧ください。   ステップ1 オーナーのローンの支払いがしばらく滞ると「Notice of Default」(俗にはNODとよばれます)という通知が発行され、登記されます。 ステップ2 NODが登記されてから3ヵ月後以降に, 「Notice of Trustees Sale」(続にNTSと呼ばれます)という通知が登記されます。オークションの日はこの通知が登記されてから20日以降に設定されます。 ステップ3 オークションが行われます。裁判所前の階段のところなどで行われることが多いようです。オークションの買い手は全額現金で支払いをしなければならず、普通の取引のようにホームインスペクターなどを雇って建物を調査することもできません。中も見れないことが多く、外見だけでいくらで買うかを決めなければならないのが普通。あとで建物に決定的な問題があることが分かってもどうすることもできません。非常にハイリスクな取引ですので、フォークロージャーオークションを専門にしている投資家や「購入金額のすべてを失っても構わない」と覚悟出来る方以外にはお勧めできません。またオークション物件にはMinimum Bidと呼ばれる最低額が設定されているのが普通です。この最低額は普通は銀行のローン残高で、不動産価格が暴落した現在ではMinimum Bid額(=ローン残高)がマーケット価格よりも高い、つまり買っても仕方ない物件が大半です。激安で買える物件はオークションに出る物件のうちのほんの僅かです。 ステップ4 Postpone延期・キャンセル 「Notice of Trustees Sale」が出された物件の総てが予定日にオークションにかけられるわけではありません。実際は予定された物件のセールの大半がpostpone(延期)されます。延期やキャンセルされるかどうかは実際に会場に行ってみるまで分からないのが普通です。延期・キャンセルされる主な理由は、loan modification(オーナーが銀行とローンの月支払額を調整するなどしてローンを支払い続ける交渉)が行われている、ショートセールが行われているなどです。 Sold to Bank Minimum Bid額がマーケット価格よりも高くて誰も買う人がいないと、ローン会社が物件を買う(取り戻す)ことになります。ここで物件はいわゆる「Bank Owned」または「REO」となり、その後ローン会社が不動産エージェントに販売を依頼、銀行所有物件としてMLSに登場することになります。多くのREO物件はごく普通にMLSを通じて売買されますが、場合よってはローン会社が販売をオークション会社に依頼することもあります。その場合は物件は通常のMLSとオークションカタログの両方に登場、今度は裁判所の階段ではなく、ホテルのきれいなイベント会場などで一般向けオークションが行われます。このような一般向けオークションではバイヤーはローンを組んだり、不動産エージェントを雇って一緒にオークションに行ってもらったりもできます。物件の内部を見たり、建物の調査をするチャンスもきちんとあるのが普通です。ただしこのような一般向けオークションには比較的誰でも参加できるので競争が激しく、激安価格で購入できるとは限りません。 Sold to 3rd Party 投資家が購入。たまにはマーケット価格よりも激安価格の物件がオークションにかけられる事もあります。ローン残高(Minimum Bid額)がそんなに高くないのなら、オーナーが自分で売って売値とローン残高の差額を自分のポケットに入れた方がいいと思うのですが、現状を冷静に判断できないオーナー、現実逃避しているオーナーも多く、対処を先延ばしにしているうちにフォークローズされてしまうこともあるようです。 ステップ4 物件が競り落とした投資家、あるいははローン会社のものになります。

オファーはいくらで出したらいいの?

物件をいろいろと見て回って、ついに「これだ!」という家が見つかったとします。リスティング価格は$580,000。さて、いくらでオファーを出したらいいのでしょうか?  「$580,000で出てるんだから、オファー価格は当然$580,000でしょう」と思いますか? それとも「言い値で買うなんてバカらしい。$500,000から交渉を始めて$550,000で折り合わせよう。向こうもその気で高めに出してるに決まってるんだから」と思いますか?  答えはどっちも×。正解は「リスティング価格はセラーが望む価格だけれど、オファーすべきなのは市場価格。まずは市場価格を調べよう」なのです。  ★市場価格とオファー  なぜ、オファー価格は市場価格がいいのでしょうか。その理由は、市場価格はたぶん他の人がオファーする価格でもあるからです。たとえば今、買いたい思った家が市場価格よりも多少高かったとします。そのような家には他からのオファーが集まりません。そうするとオファー価格よりも低い市場価格でオファーをだしても、他には競争相手がたぶんいないので、セラーは市場価格まで妥協してくる可能性が大きくなります。反対に買いたいと思った家が市場価格よりも安く出ているとします。格安物件にはバイヤーが集まりますので、バイヤー同士の競争になり、結局家は市場価格近くで売れる可能性が高いでしょう。どのような価格でリスティングされていても、結局は市場価格付近で売れる可能性が最大なのです。 であれば、こちらが出すオファーも市場価格で出しておけば、希望の家を逃すリスクは低く、支払い過ぎになるリスクも少ないのです。  では、家の市場価格はどうやって調べたらいいでしょうか。これはバイヤーのエージェントの仕事になります。通常は希望の家から1/4マイル程度の過去1年間などの販売記録を引き出し、その中で最も似た家(俗にコンプと言われます)を探し、それをベースに市場価格を割り出します。ただし機械的にやっただけでは正しい価格は割り出せません。たとえば地形の高低差が激しい地区では、必ずしも近い家がコンプになるとは限りません。崖の上と、崖の下では別世界ということもあります。崖がなくても、大きな通りや、学校区のラインなどで全く価格が違ってしまうこともありいます。また不動産価格が大きく動いているときは半年前の価格では古すぎて参考にならないこともありますが、逆に最近のように価格が比較的フラットな時は2年前に売れたものでも直近の物件があればそれがコンプになることもあります。ですが、このようにして出した市場価格を見てびっくりするバイヤーさんはまずいません。たくさんの物件見てきたバイヤーさんが、「これくらいなら出してもいい」と思う価格は、たいていは正しい市場価格になっていると思います。  家は全て条件が違うので厳密な数字を出すのは難しく、市場価格は「○~○ドル」というような幅を持った範囲で表現されることが多いと思います。「どうしてもこの家が欲しい!!」と思ったらこの幅の中で上限、「だめだったら他の家を買うからいい」と思えるなら下限でオファーを出すのがいいと思います。  ★リスティング価格が市場価格よりも低いとき  リスティング価格が市場価格よりも低い物件にはバイヤーが集まるので(マルティプルオファー)、オファーはリスティング価格を上回ることになるでしょう。「言い値よりも高く出すなんてとんでもない」と思うかもしれませんが、リスティング価格よりも高く売れる物件はたくさんあります。一定エリアでどれくらいの割合の物件がリスティング価格を上回って取引されたか、などの統計もありますので、参考にするのがいいと思います。マルティプルオファーの場合、リスティングエージェントは他のオファーがいくらかは決して口にしませんが、うまく話をすれば大体の感触を得ることが出来る場合もあります。  「カウンターオファーが来るからはじめは低めに出す方がいい」という人もいますが、特に複数のオファーがある場合、私はこのような考えにはあまり同意できません。世の中にはカウンターオファーを出さないセラーもたくさんいます。低めに出すと、「本当はもっと高くても買う気だったのに、低めに出したために他の人に売れてしまった」ということになりかねません。今現在複数のオファーが無くても、いつ何時他のオファーが舞い込むか分かりません。よほど人気がなかったり、買うのが難しい物件だったり、また「買えなかったらそれでもしかたない」と思う場合は別ですが、それ以外はベストのオファーを出して、あとはカウンターが来ても小額を上げるだけにするのがいいのではないでしょうか。  ★リスティング価格が市場価格よりも高いとき  反対に希望の家が市場価格よりもずっと高くリスティングされている場合はどうしたらいいのでしょうか?  リスティングエージェントは通常、「市場価格よりもちょっと安め」の価格をセラーに推薦します。でも、売る方は「自分の家は世界最高の家だから、普通の家よりも高く売れるはずだ」とどうしても思ってしまうので、必ずしもリスティングエージェントに同意するとは限りません。バイヤーと違って、売り手は他の物件をたくさん見ているわけではないので、市場が全然分かっていない人もたくさんいるのです。  このような場合、これまでの値引きの記録をまず見ます。特に銀行所有物件の場合顕著なのですが、たとえば月1回$10,000引くというようなパターンがある場合は、それを先取りした価格、つまりリスティング価格よりも$10,000低くてもまずOKだと思います。さらには、セラーが今いくらローンを抱えているかを調べます。厳密な価格はわからないのですが、いついくらのローンを組んだかから大体算定することが出来ます。一般的に言ってセラーは「足が出てしまう状態」、つまりローン残高+クロージングコスト以下では売らないと思います。またセラーがいついくらで購入したのかも調べます。昔に安く買っていて、利益が出るのならリスティング価格よりも引いてくれる可能性が高いと予想されますが、これは人にもよるでしょう。あとはやはりリスティングエージェントに電話して、セラーは値引きする可能性があるのかを聞くことになります。  以上より値引きに合意してもらえる可能性があるなら、リスティング価格よりもかなり低くてもオファーを出す価値はあると私は思います。「セラーに失礼になる」という人もいますが、市場価格のオファーであればそんなことはないと思います。オファーの書類に、「周囲の物件を調べた結果はこのようになっていて、私はこの家がこのような理由で大好きだから、○ドルという非常にフェアな価格でオファーを出したい」というレターをエージェントに書いてもらって添えれば完璧でしょう。ただしリスティング価格を$20,000以上下回ると、かなりダメもとではありますが。その場合は、セラーが値引きするのをしばらく待つのもいいかもしれません。  オファー価格を正しく決めるのは物件獲得のためにとても大切です。とくにセラーに利益がないため、激安値段でとりあえず出しているショートセール物件だと威力絶大です。先日も超激安のショートセール物件に、リスティング価格をはるかに上回る&それでも市場価格よりはずっと安いオファーを出した私のクライアントのオファーが、多くのオファーの中からアクセプトされました。リスティング価格よりも$40Kも高いオファーを出すのは抵抗があったと思うのですが、それを乗り越えてクライアントが価格の構造をきちんと理解していただいたのがありがたかったです。  

ショートセールって何?

ショートセールって何?

最近よく聞くのがショートセールと言う言葉。住宅物件をお探しの人は特に良く耳にすると思います。ここではショートセールとは何かを出来るだけ簡単に説明してみましょう。  ショートセールとは、「不動産物件の持ち主が物件をローン総額よりも安く売って、その売り上げをローン会社にすべて渡すかわりのローン残高をすべて支払ったことにしてもらう」という取引のことです。  不動産価格が下がった結果、多くのオーナーは物件の現在価格よりも多額のローンを抱えています。こういう状況で「リストラされる」「家族の誰かが病気になる」などの事態に遭遇し、毎月のローンの返済がままならなくなると、大変困ったことになってしまいます。不動産価値暴落以前、不動産価格がローン総額を上回っている状態なら、家を売ってローンを全額返済してもおつりが来るので問題なかったのですが、現状では家を売ってもローンを全額返せません。  そこで登場するのがショートセール。銀行に交渉して「家を現在のマーケット価格で売ってそのお金を全部あげるから、それでローン返済は終わったことにしてほしい」と交渉するのです。ローン会社としては「ローン残高-不動産現状価格」が回収できず大損になってしまうわけですが、多くの会社はなんとこのような交渉に応じます!それはなぜかというと、毎月のローン返済ができない人に「金を返せ」といくらいい続けても、無い物は出せません。最終手段は抵当として家を取り上げるしかないのですが、それをやっても結局は現状の不動産価格分しか手に入らない。しかも会社側は取り上げた不動産を自分で売らなければならず、それにかかる手間や時間が大変です。そんなことをするくらいなら、オーナーに売ってもらってローンの残高をチャラにした方が楽だし得、ということになるのです。  ただし銀行としても、本当はローンの返済能力がある人にショートセールを認めてしまっては損なので、その人が本当にローンを返せないのかどうか審査します。多くの場合、利子を負けてあげたり、返済期間を延ばしてみたりして、なんとかローンを返済させようとします。そんな風にいろいろやってみても「どうしても無理、この人はローンが返せん」という場合がショートセールになるわけです。  +++++++++  家を探している人がここで気をつけなければならないのは、MLSなどに「ショートセール」として掲載されている物件は、上記のような交渉がまだ終わっていないどころか、始まってすらいない!! ということです。銀行とのショートセールの交渉は「この金額で喜んで買ってくれるバイヤーがいる」ということが分かって初めてスタートします。ということなので、ショートセールに対してオファーを出してそれにオーナーがサインしてくれても、それで物件を買える保障ができたわけでは全然ありません。そこから初めてオーナーと銀行との交渉が始まるので、結果がどうなるかはオファーが通った時点ではまだ分からないのです。しかもこの交渉には1-3ヶ月、ひどいときには1年以上かかってしまいます。(時間節約のためには通りそうなショートセールと駄目そうなショートセールを事前にある度見分けることが大切です。)   さらに事態を混乱させているのは、エージェントの中に「とにかく銀行との交渉を早くスタートさせよう」としてショートセール物件を破格の安値でリストする人がかなりたくさんいる、ということです。安く出せばすぐに買い手が見つかります。かれらは早く買い手を見つけ、ショートセールの書類一式をローン会社に送りつけ、一刻も早く何ヶ月もかかるかもしれないプロセスをスタートさせようとするわけです。その場合、仮にショートセールをすることはOKになっても、そんな破格の安値がローン会社に認められるわけがありません。しばらくするとローン会社は自分で雇っているブローカーに頼んで正しい値段(BPOと呼ばれます)をつけてきます。破格の値段だからといって応じた初めのバイヤーはローン会社のつけた正しい価格を見てびっくり仰天。買うのをやめてしまうことも多いのですが、リスティングエージェントとしてはそんなことはとうに計算済み。そこで新たに「アプルーブド(Approved 認められた)ショートセール」として物件をMLSにリストし、初めて本気で買い手を捜し始めるわけです。ということなので、ショートセールの激安物件があったら「これは本当の価格ではない」と思った方が無難。単に安いからではなく、「もしも値段が普通でも自分は買う気があるだろうか」を考えた方がいいと思います。   アプルーブド・ショートセールを買うのにかかる時間はほぼ「普通」の物件と同じ考えていただいていいと思いますが、一般ショートセールに初めから付き合うのは大変です。とはいえローン会社がつけてくる価格も通常セールものに比べれば割安なことも多く、特に物件を買うのを急いでいない人、予算が非常にタイトな人はショートセールを探してみるのもいいかもしれません。ショートセール物件を買うには、ここに書いた他にもいろいろと知っておくべきことがありますので、詳しくはお電話等でユカリ・トラヴィスまでお気軽にご相談ください。

バイヤーズエージェントとリスティングエージェント

バイヤーズエージェントとリスティングエージェント

日本では不動産エージェントは売り手と買い手の両方を受け持つ場合が多いですが、アメリカでは売り手と買い手に別々のエージェントが付くのが普通です。 売り手を代表するエージェントは「リスティングエージェント」、買い手を代表するエージェントは「バイヤーズエージェント」と呼ばれています。  エージェントのコミッションは売り手が一括してリスティングブローカーに支払い、通常はその半分がバイヤーズブローカーに支払われます。各エージェントはそれぞれのブローカーから一定割合の収入を得ます。ということなので、買い手は自分のエージェントにコミッションを支払う必要はありません! (ブローカーによっては小額の手数料をバイヤーにチャージすることもあります。)つまり、買い手はほとんど無料でサービスが受けられるわけです。  ということで、家を買うときにバイヤーズエージェントを使わない手はありません。  バイヤーズエージェントは物件を見せるだけがその役割ではありません。  住宅の購入には交渉がつきものです。購入価格、修理代のクレジット額、クロージングの日付などなど、売り手と買い手が対立しがちな交渉ごとはたくさんあります。売り手を代表するバイヤーズエージェントは、そのたびに売り手の立場が有利になるように、買い手の利益だけを考えて交渉を進めます。ですのでオープンハウスなどで家を見て、既に買いたい家が決まっている場合でもバイヤーズエージェントを使うことをお勧めします。  アメリカでの不動産契約には百ページを超える契約書や関連書類が絡み、サインしなければならない書類の数も半端ではありません。特にフォークロージャー物件を買う場合、銀行側から来る書類は細かく注意して読む必要があります。バイヤーズエージェントはそのような書類についての質問にもあくまでバイヤーの立場に立って答えます。  「コミッションの出所は売り手。バイヤーズエージェントも結局は売り手の利益を考えざるを得ないのでは?」という人もいますが、そんなことは普通はありません。何かの理由で交渉が決裂しても、買い手が別の家を買うときにバイヤーズエージェントは収入が得られます。なにも今の交渉相手におもねる必要はないのです。  バイヤー専門のエージェントも稀にはいますが、不動産エージェントはバイヤー側、リスティング側の両方をこなすのが普通です。私も両方やらさせていただいております。家を探している方、買おうかどうか考え中の方、どうぞお気軽に御連絡ください。 image: tungphoto/freedigitalphotos.net