固定資産税の請求書を見ると、1%の固定資産税だけではなく、様々な他の項目の支払いが加算されているのに気が付くと思います。公園費用、下水道区費用、水道区費用などが、便宜上固定資産税と一緒に徴収されています。 このように、恩恵を受ける地区(CFD, Community Facility district)を設定し、その中に不動産を持っている人に一定期間かける税金は”Mello-Roos”(メロルーズ)と呼ばれています。「新しい学校が必要。その学校に通えるエリアの不動産所有者に10年間、毎年一定額の費用負担をさせる」などがMello-Roosの例です。地方自治体がこのような課税をすることを許すCommunity Facilities Act というカリフォルニア州の法律を1982年に作ったのがMello さん(Henry Mello)さんとRoos さん(Mike Roos)だったので、このように呼ばれるようになりました。i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
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Category: バイヤーとして知っておくべきこと (不動産の購入)
Pre-Approval 【アメリカ不動産の言葉】
住宅購入を真剣に考えはじめると、すぐに耳にするのがこの「プリアプルーバル(pre-approval)」という言葉。「実際に物件を見始める前に、まず住宅ローンのプリアプルーバルレターをとってください。」などと言われることが多いと思います。 住宅ローンのプリアプルーバルとは、住宅ローンの”借り手に関しての事前審査をパスした”というのこと。 ローン会社が住宅ローンにOKを出すには、1)住宅の購入者(ローンの借り手)と2)購入する物件、の両方の審査が必要。家を探し始めた当初はまだ購入する物件が決まっていないわけですが、とりあえず借り手の方の審査だけやってしまい、それにパスしたらレター(プリアプルーバルレター)を出しましょう、という仕組みになっています。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
不動産購入前は現金入金とビットコインに注意
今日は不動産を探している時にはしない方がいいこと、特に現金とビッドコインの入金について書きたいと思います。不動産の購入には住宅ローンがつきもの。オファーが通ってエスクローに入ると、住宅ローンの本格的な審査が始まります。ローンを借りる人の口座へのお金の出入りを調べるのも、重要な審査の一つ。その理由は、マネーロンダリングの防止。ある程度額以上の金額の入金がどこから来たかを通常は2か月間調べ、不正なお金が購入に使われていないことをチェックする義務がローン会社にはあるのです。 お給料、ビジネスでの収入など「なるほどね」と誰しも思える出所のはっきりした入金なら全く問題ありません。でも、「え、これはどうして?」と思うような入金があるとローンが通らなくなってしまう可能性があります。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
C.L.U.E. レポートって何?
C.L.U.E. レポート、というものの存在をご存知ですか? あまり知られていないのですが、このレポートは不動産を買う場合に重要な役割を果たすことがあります。C.L.U.E.とは、 Comprehensive Loss Underwriting Exchangeの頭文字。ある不動産に対して過去にどのような保険金支払い請求がいつあり、その結果いくら支払われたのかの情報を5年分集めたレポートで、これを見ると不動産に対してどのような問題が過去に起こったか、その一端を知ることが出来ます。 例えば、ガレージでボヤが起きて、住宅保険を使って修理を行った場合、その記録はこのレポートに掲載されます。このような過去の問題があった場合、売り手はその問題を必ず買い手に知らせなければならないことになっていますが、すっかり忘れていることもありえます。念には念を入れる場合は、このような第三者のレポートで確認するのがいいと思います。レポートは不動産のオーナー及びその不動産に保険をかける保険業者しか請求できません。不動産のバイヤーは購入時のオファーの中でオーナーにレポートを要求できます。 不動産を売る場合は、このレポートをあらかじめ用意しておくのもいいと思います。過去5年間、保険を使って修理を行っていない場合はそれを証明して、建物のコンディションが良いことをアピールできます。また公開事項の書類に、過去の問題を書き忘れるのを防ぐ役にも立ちます。 不動産のオーナーは、保険金請求情報を集めている LexisNexis Risk SolutionsからC.L.U.E.レポートを年一回無料で入手できます。
日本在住でもアメリカで不動産ローンが組める-外国人
アメリカの不動産は外国人でももちろん購入できます! 日本に住む日本人の方がアメリカで不動産を購入する場合は、購入価格全額を購入時に現金で一括払いする現金購入が最も一般的な方法です。住宅ローンをアメリカで組むためには通常はアメリカでの長期滞在資格(グリーンカードなど)、アメリカでの収入、ソーシャルセキュリティ番号(日本のマイナンバーと似たようなもの)、アメリカでのクレジットヒストリー(アメリカでクレジットカードを使った履歴など)が必要になります。このような条件はアメリカに在住して仕事をしていないとクリアできないからです。日本の銀行は海外不動産に対する貸し付けはしていません。 ただし、日本在住の日本人の方がアメリカで不動産ローンを組むことは、実は不可能ではありません。バンクオブアメリカなど、誰しも名前を知っている銀行では無理ですが、比較的小さなローン会社では、外国人を対象とした不動産ローン商品があり、最近はその数が増えているように思います。アメリカ人が不動産ローンを組む場合と比べるとかなり厳しい条件になりますが、ローン会社が負うリスクを考えると致し方ありません。これはほんの一例ですが、例えば以下のような外国人向けローン商品があります。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
よくある質問-エスクローに入ったらデポジットはいく
オファーが認められて、契約書への双方のサインが終わったら、まずデポジット(Earnest Money Deposit, EMDと呼ばれる)をエスクローをつかさどるエスクロー会社に送金します。このデポジットは3日以内(ウィークデイのみカウント)にエスクローの口座に到着していなければならないので、送金は契約が終わったらできるだけ早く行った方がいいと思います。(エスクロー期間、売り手と買い手が契約にはいってから実際に不動産の権利が移転するまでの期間、は約1か月あります。) デポジットの金額は契約で決めますが、カリフォルニアの場合は通常購入金額の3%です。つまり、$700,000で契約した場合は、その3%の$21,000を振り込みます。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
よくある質問-リースバックって何?
リースバック(Lease Back)とは、不動産を売る際、エスクローがクローズして売買契約が終了した後、売り手がその物件を買い手から賃貸することです。リースバック期間中は家の元の売り手がテナントに、買い手が大家になります。賃貸料は通常はPITI -買い手のモーゲージの月支払額(Principal + Interest)、固定資産税の月額(Tax)、住宅保険料の月額(Insurance)の合計になります。つまりバイヤーからのお金の持ち出しは無いわけです。ただしバイヤーによっては自分のオファーを有利にするために「リースバック期間の賃貸料は1ドル」などの好条件を提示する場合もあります。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
よくある質問-売り物件に複数のオファーがきたらどう
少し落ち着いてきたとはいえ、南カリフォルニアは売り手市場。適正価格で住宅を売り出せば短期間で複数のオファーが来ることが多々あります。もしも、あなたが住宅を売り出していいて、複数のオファーが来たらどうしますか? 対応の仕方は大きく分けると以下の4つになります。(バイヤーの方も、オファーがどのように受け止められるかが分かると役立つ場合もあると思いますので、お時間があったらぜひ読んでみてください。) 1.どのオファーも受け付けない 提出されるオファーの全てが適切な価格とは限りません。提出されたオファーのどれもがあまりにもかけ離れて低い価格だったり、バイヤーに購入する能力があると思えない場合は、提出されたオファーをすべて却下し、より良いオファーが来るのを待つ選択肢もあります。ただしこのような対応をする前に、現在のリスティンング価格が本当に市場にあった価格なのかどうかを、まずよく検討する必要があります。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
よくある質問|エスクロー期間(Escrow per
カリフォルニア州では、不動産を売買する際、買い手が決まって契約にサインしてから実際に不動産が売れるまでの間、その不動産は「エスクローに入っている(In Escrow)」という言い方をします。その間、エスクロー会社は買い手から手付金(通常は購入価格の3%。頭金の一部)を預かり、住宅ローン会社とのやり取りをはじめ、様々な売買に関する事務処理を行います。 エスクロー期間は南カリフォルニアの場合は30日~45日間が普通です。その理由は住宅ローンのプロセスにこれくらい時間がかかってしまうからです。買う家が決まったことをローン会社に伝えると、まず初めの10日~2週間程度でローン会社は購入物件の価格を査定します。次にもう一度バイヤーの収入等を精査し、ローンがおりることが確実になるまでに概ね3週間程度かかります。その後、Closing Disclosureと呼ばれる費用の明細が発効され、住宅ローンの書類にサイン、ローン会社からエスクローに資金が振り込まれるまでまた1週間程度かかり、合計すると1か月ぐらいなります。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
購入する家に”許可なし増築”があるかどうかの確認方
前回は、許可なし増築がある家を購入する場合のリスクについて書きました。今回は、そのような許可なし増築があるかどうかを確認する方法について書いてみたいと思います。 ステップ1 :売り物件のリスティング情報に「許可なし増築がある」「ボーナスルーム」などと書かれているかどうかを確認する。 売り物件によっては宣伝文中にきちんと「許可なし増築がある」と書かれていることも多々あります。英語で言うとun-permitted addition という表現が最も一般的です。あるいはもう少しやんわりと「ボーナスルームあり」などと書かれていることもあります。一般の人が見れる宣伝文にはかかれていなくても、不動産業者用のデータベースに記載されていることもあるので、バイヤーエージェントに確認してください。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
建築許可が無い増築に要注意!バイヤーの陥りやすい落
バイヤーの陥りやすい落とし穴の一つとして、「建築許可がない増築部分がある住宅を知らずに買ってしまう」というものがあります。 南カリフォルニアの多くの地区では、住宅に増築を行うときに建築許可をとっていない住宅が非常にたくさんあります。西部無法地帯の名残なのでしょうか。ロサンゼルス市、グレンデール市、市が無いためにロサンゼルスカウンティが直接管轄してるアルタデナ、ラクレセンタの一部、パサデナの一部などは増築に関しては、建築法無法地帯といってもいいかもしれません。 オープンハウスなどで「ボーナスルーム」などと呼ばれている部屋を見たことがある人も多いと思いますが、建築許可がない居住スペースがついている家は実は非常にたくさんあります。部屋が1部屋付け足してあったり、屋根裏が寝室に改造されているぐらいはかわいいもので、中には許可のない別棟が裏庭に建っているものも。全ての部分に建築許可がある家だけを購入対象としていると、家探しが難しくなってしまうほどです。 建築許可がない増築の問題は:i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
アプレーザル(価格査定)無しで住宅ローンが組めるよ
住宅ローンを使って不動産を購入する場合、エスクローに入ってすぐローン担当者が行うのは、アプレーザル(価格査定)をオーダーすることでした。オーダーしてから、価格査定の専門家が家を実際に見に来て、完成したレポートがローン会社に届くまでは7-10日かかります。レポートが届いて初めて本格的なローンの審査が始まるのが普通です。 Freddie Macの発表によると、この住宅ローンにおける価格審査のプロセスが省略できる可能性が出てきました。Freddie’s Automated Collateral Evaluation (or ACE) というシステムを使い、既存のデータからローン会社にかかるリスクを計算、リスクが一定値より低ければ、価格査定なしでローンが下せるようになったのです。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
オファーを提出する時にバイヤーが陥りやすい7つの落
リアルター協会のrealtor.comに掲載された“バイヤーがオファーを提出する際に陥りやすい7つの落とし穴“という記事を元に、私の意見を含めてバイヤーがオファーを出す際に気を付けるべきことを書いてみたいと思います。 落とし穴1.オファーをすぐに出さない 家の購入は大切なことですし、時間をかけて考えたいと誰しも思うと思います。ただ、長く待てば待つほど、購入できる可能性は減ってしまうのが現実です。どんな家を買いたいのか(買えるのか)を、事前にイメージしておき、それに当てはまる物件が出たらすぐさまオファーを出せるように準備しておきましょう。人気物件はリスティングされてから数日でエスクローに入ってしまうことも珍しくありません。週末にオープンハウスが行われたら、月曜日がオファーの締め切りの場合もあります。即決できるよう、心の準備をしておきましょう。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
住宅ローンの金利は条件によってこんなに違います
私が長年一緒にお仕事をさせていただいているローンスペシャリストの横山貴恵さんがすばらしいニュースレターを送ってくださいました。今回はその記事をお借りして、「ローンの金利は一定ではない」ということをご紹介します。 インターネットなどを見ると住宅ローンの金利が紹介されているページが簡単に見つかります。住宅購入をお考えのお客様の中には、このインターネットなどに載っている金利がそのまま自分のローンにも当てはまると思われている方もいらっしゃいますが、決してそうではありません。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
不動産の種類にはどのようなものがありますか??
不動産の購入にはさまざまな選択肢があります。土地、一戸建て、マンション(コンドミニアム)…。不動産にはいろいろな種類があります。まずは、種別ごとのメリット、デメリットを知り、自分に合った不動産を購入しましょう。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
日本在住の日本人でもアメリカで住宅ローンが組めるっ
現在アメリカの金利は30年固定だと年利3.5%、15年固定は2.875%という恐ろしいほどの低金利です。少し前までは、金利6%をものすごく安く感じたものですが。不動産の値上がり率は年5%ぐらいなので、金利として銀行に支払う額以上が含み益として手元に戻ってくるわけで、「借りないよりは借りたほうが得」な状態が続いています。 ところがアメリカの一般的な銀行やローン会社で住宅ローンを組むためには、アメリカ長期対座資格、ソーシャルセキュリティ番号、過去2年間以上同じ職業についていて収入があることが必要条件になります。日本に住んでいる普通の日本人の方がアメリカで投資物件などを買う場合、アメリカ人と同じ住宅ローンは組めません。また日本の通常の住宅ローンは海外不動産には使えません。そのため日本在住の日本人がアメリカで不動産を買うには「全現金買いしかない」と思っていらっしゃる方が多いと思います。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i […]
よくある質問ーHOAって何?コンドミニアム、タウン
コンドミニアムやタウンハウスを探している方はHOAという言葉を聞いたことがあると思います。これはHOAとはHomeowners Associationの略。日本の管理組合にあたります。 HOAは住民から毎月の管理費(HOA FEE)を徴収し、それを共用部分の管理費、保険費用や将来の修理に備えた積立金に充てています。ロサンゼルス周辺では管理費は通常月$200~$500程度。プールがなどの共用施設が充実していたり、ガードマンを雇っていると管理費が高くなります。 コンドミニアムやタウンハウスの購入を検討するときには、HOAについてとりあえずまず以下の項目をチェックすることをお勧めします。I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I […]
家を買ったらお役所の通知に見せかけた郵便物に要注意
エスクローがついにクローズし、引越しも終わり、ひと段落・・・と安心しているところに必ず舞い込んでくるのが、お役所からの通知を装ったジャンクメール。典型的なのが写真にあるような、「DEED(不動産登記証明書)を郵送して欲しかったら◎ドル支払え」という内容の郵便物です。 このような郵便物はすぐさまゴミ箱に捨てて下さい。ロサンゼルスカウンティでは、不動産を購入してしばらくたつと自動的にちゃんと登記証明書が送られてきます。もちろん無料です。このような詐欺まがいの郵便物には、バーコードが印刷されていたり、締め切りが書かれていたり、こちらの住所や購入した日などが印刷されていて、以下にも指定の額を支払わないと大変なことになるように見えますが、そんなことはありません! このような郵便物には「Deedを保管しておくことが非常に大切」などと書かれていますので、「そうか、Deedが手元に無いと自分が所有者だと証明できないのか。これをきちんと保管しておかないと将来家が売れなくなるのかもしれない」などと心配する人もいると思いますが、それも全く正しくありません。Please click the following link to real the rest of the article. 確かにDeedに書かれている名前や情報が正しいか確認しておく必要はありますが、Deedを保管しておかなくても別に問題はありません。送られてくるものはデータベースのコピーで、本物は登記所に保管されています。またDeedのコピーはすべてデジタル化されていて、タイトル会社や不動産関連の専門家なら誰でも簡単にコピーを入手できるようになっています。ですので仮にDeedのコピーが手元になくても、何も問題はありません。もしもコピーが欲しければ、家を買った時の不動産エージェントに電話をしていただければ、数日でPDFファイルをメールしてもらえるはずです。家を売る場合も、Deedのコピーは販売を担当する不動産エージェントがタイトル会社から調達してくるのが普通です。 家の購入後には他にもお役所からの通知や請求書に見せかけたジャンクメールがくると思いますが、支払いの必要がないものがほとんどです。もしも心配な場合は、郵便物のコピーを私までEメールなどでお送りいただければ、どのようなものかご説明いたします。お気軽にrealtoryukari@gmailまで、ご連絡ください。
不動産取り引きにおける“署名”について。海外からで
不動産を売ったり買ったりする時には、契約書を’はじめ、たくさんの書類に署名をしなければなりません。アメリカでは印鑑は使わないので、「この書類に同意します」「この書類を確かに読みました」という証明は署名(サイン)で行うことになります。不動産取引では、署名をした書類そのもの(Wet Signatureと呼ばれます)のコピー、スキャン、ファックスなどを現物同様に扱うのが普通です。署名をした書類をスキャンしてEメールで渡すのが最も一般的で、オリジナルを郵送する必要も保管する必要も通常はありません。 取り引きに使う書類には、売り手と買い手の両方の書名欄があるのもが多くなっています。この場合は、片方が署名した書類のコピーにもう片方が署名し、両者が署名した書類のコピーを双方で保管するのが普通です。ただ片方が署名をするのを待っている時間がない場合などは、署名が必要な書類を2部コピーし、一部には売り手が、もう一部には買い手が署名する方法がとられることもあります。このように”カウンターパーツ”で署名しても、一枚の紙に両者が署名しているのと同様と見なされます。Please click the following link to read the rest of the article. 最近は「電子署名」も手書きの署名と同様に扱われるようになっています。Docusign、Digital Inkなどの電子署名サイトを使えば、メールアドレスに署名が必要な書類を送り、画面上で署名することが出来ます。これだとプリンターもスキャナーも要らないので大変便利です。私のお客様にも、ほとんど全ての書類を電子署名サイトを使って署名していただいています。ただ銀行によっては電子署名を不動産取り引きに使用しないところもあり、抵当流れ物件やショートセール物件の取り引きは従来どおり手書きの署名が必要なこともあります。 上記の例外はエスクローに提出する書類です。不動産エージェントがお客様に署名していただく書類は、契約書からはじまり、修理箇所の交渉、コンティンジェンシーを外すなど、大雑把にいうと”合意形成”のために使用されます。これに対して、全ての手続きが公正に正しく行われているかどうかを見極める「審判」の役割を持つエスクローからの書類は、”決まったことを確認する”書類と言えます。例えばカリフォルニア不動産協会のスタンダードな書類を使って双方が値引きに合意した場合、エスクローからくる同じ内容に書類にも署名しなければなりません。合意形成に加えて、確認の書類が必要だからです。確認・最終決定の機能があるエスクロー書類への署名はよりきびしく信憑性が問われるため、電子署名は使えない場合が今のところは多くなっています。署名した書類をスキャンしてEメールすればいい場合が大半ですが、エスクロー会社によってはオリジナルの現物(Wet Signature)を送って欲しいと言われることもあります。 さらに不動産を売り渡すことに同意するDEEDへの署名は、最も厳しく信憑性が問われるため、公証(Notary)が必要になります。アメリカ国内でこれを行うのは簡単で、街中のコピーセンターなどでNotary Publicをやっているところを探し、書類と身分証明書を持っていき、$10-15ほど払ってNotaryの資格のある人の目の前で署名すればおわりです。不動産の名義が夫婦片方のものになっている場合、もう片方の人がQuite Claim Deedに署名しなければならないこともあります。不動産を購入する場合も、夫婦片方だけの名義にする時は、もう片方の人がQuit Claim Deedに署名しなければなりません。 ただしアメリカ国外だと話が違ってきます。公証できるところは国外では通常アメリカ大使館のみになり、地方にいる場合などは大使館のある都会まで行かないと公証ができません。しかも日本のアメリカ大使館の公証は非常に混んでいて、予約が1ヶ月ほどとれないことも。(日本は公証についての協定を結んでいるので、本来は日本の公証がアメリカで通用するはずなのですが、登記事務所に前例がないと問題になる可能性が否定できません。そのため、通常は大使館で公証してもらうことをお勧めしています。)本人及び夫婦の片方が海外在住だったり、海外出張が多い場合は、誰がDeedに署名しなければならないのかを出来るだけ早く調べ、計画を立てておく必要があります。 このようにみていくと、不動産取引の署名については、本人がアメリカ国内にいなくても十分対応できることが分かっていただけると思います。Eメールさえ使えれば、本人が全世界のどこにいても、ロサンゼルス市内にいるのと同じスピードで手続きをすすめることができます。公証は国外だと面倒になりますが、これもあらかじめ予定を立てておけば大使館とフェデックスを利用して対応できます。
「クレジットスコア」はアメリカ人にとっての人格証明
人種も生まれた場所も考え方も全く違う雑多な人々が集まって住む国アメリカ。「この人は信用できるのか?」と疑問に思っても、文化背景の違う相手を自分の常識だけで判断することは出来ません。自分の常識からは外れていても、相手はその人の文化に沿ってきちんと行動していることもあるからです。 それではアメリカではどうやって相手が信用できるかどうかを見極めるのでしょうか? 答えはズバリ、クレジットスコアです! 借りたお金を約束どおりきちんと返しているか、買ったもの、受けたサービスに対して支払いをすぐにしているかどうか・・つまりお金に対してきっちりした態度でいるかどうかの情報はEquifax, TransUnion, Experianという3社の調査会社に集められ、各社が個人の信用度をあらわす「クレジットスコア」をアメリカ人およびアメリカに暮らす人々に対して算出しています。Please click the following link to read the rest of the article. 住宅ローンを組むなど、お金を借りるときはこのクレジットスコアを示して「私はお金に対してきちんとした人間です」ことを証明しなければなりません。スコアが悪いと「ハイリスク」と見なされ、普通の人よりも高い利子を支払わなくてはならなくなります。アパートを借りるときにも、大家さんはほぼ必ず賃貸人のスコアを調べます。スコアが悪いとアパートを借りるのも一苦労です。就職時にも企業がクレジットスコアをチェックすることがかなりあり、スコアがいい人ほど採用されやすいと言われています。それどころか、私の聞いた話では結婚前、あるいは結婚を前提としたお付き合いに入る前にお互いのクレジットスコアを見せ合う場合もあるとか。実際お互いのクレジットレポートを見せ合ってから結婚したという私の同僚は「当然のことでしょ。向こうの借金をこっちが背負い込むかもしれないんだから。」と言って、驚く私に対して逆に驚いていました。いくら相手を気に入っていてもクレジットが悪かったらすっぱりと見切る….のでしょうか。でもお金は離婚原因のチャンピオンですから、現実的に考えるとこれは正しい対応ですね。余談ですが、これを聞いて「うちの子供が結婚するときには絶対相手のクレジットスコアを調べるぞ」と決心した次第です。 クレジットスコアの具体的な算出方法は公開されませんが、一般的に言って「お金を借りて、それに対する決まった支払をきちんとしている」という”実績”が長期間しかもある程度たくさんあるほどスコアはよくなります。いくら資産があるかはクレジットスコアに影響しません。つまり10億円の預金が銀行にあっても、一度も借金したことのない人のスコアはあまり良くないことになります。「自分の持っているお金の範囲で借金せず暮らすことこそが人間のきちんとした生き方。なんでそれでスコアが悪くなるんだ!」と思う方、ご説ごもっとも。でもそれを曲げてある程度借金をしないとスコアがよくならない→肝心な場面で信用に足る人間だということを証明できない。これがアメリカの現実なのです。 スコアを上げるためには、まず何はともあれクレジットカードをつくりましょう。(「クレジットがないからクレジットカードをつくれない」と言われた場合は、自分の預金がある銀行などでSecured Cardと呼ばれる自分の預金を担保に借金をする初心者向けクレジットカードを作ってください。しばらくすると普通のクレジットカードを作れるようになります。)生活費をそのカードで払えば、月末に支払いをするまでは「借金」したことになります。Netflixや携帯電話の支払いもクレジットカードの自動引き落としで行うようにします。アメリカで住宅ローンを使って家を買う可能性のある人はもちろん、アメリカに長期間住むつもりの人はできるだけ早くクレジットカードを作り、良いクレジットを形成することをお勧めします。