カリフォルニアでの住宅不動産ご売却手順

新築指向が非常に強い日本とは異なり、「家を買う」と言えば中古住宅を買うことをほぼ意味するアメリカ。特にロサンゼルス周辺では需要が高く、中古住宅の販売は適正に行えばどのような物件でも比較的短期間で可能です。以下に簡単にカリフォルニア州の住宅売却の手順をまとめまてみました。できるだけ「高く」「早く」「お客様の手間をかけずに」家を売る、これが私の不動産エージェントとしてのモットーです。

ステップ 1   無料コンサルテーション - 家を売ると決める前でも構いません

家を売るのか売らないのか。売るとしたらいつ売るのが良いのか。迷う方も多いと思います。そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。家を売る判断をするためには、引越し先の住宅価格、家を売る経費、家を売るかわりに増築したらいくらかかるのか、家の売り出し中に次の家を買うことができるのか、投資物件の場合は利益に対する課税はどうなるのか、1031エクスチェンジで課税を避けることはできるのかなどの情報を集める必要がある場合もあります。ご相談いただければ、ご質問にできるだけお答えいたします。一緒に考えましょう。

 

ステップ 2   最終的に高く売るための、正しい売却希望価格の設定

家の売却をスムーズに進めるためには、家の販売希望価格(Listing Price)が適正であることが大切です。最も多くの買い手の注目が集まるのは物件が売りに出た直後。ここで適正な価格を提示すれば、需要の多いカリフォルニアでは複数のバイヤーが販売希望価格を超えるオファーを提出してくることが期待できます。できるだけ多くの買い手を集めて競争心理を煽り、最終的には市場価格を超える高い値段で売ることを目指しましょう。

このような適正な販売希望価格は、周辺の現在売り出し中の物件価格、これまでに売れた物件の価格はもちろん、マーケット状況、家のコンディションなど様々な条件に左右されます。ご連絡いただければご自宅を拝見に伺い、無料マーケットレポート(CMAレポート)を作成、お客様が適正な販売希望価格を決めるためのお手伝いをさせていただきます。

 

ステップ売却に向けての家の準備計画

家のコンディションは販売価格や販売にかかる時間に影響します。買い手は家探しに全エネルギーを使い果たしていることが多く、ちょっとした手直しでも非常に億劫に感じることが多いもの。また、利子の支払いを減らそうと頭金を最大限にしている場合は、購入後は手元に現金が残りません。売るほうから見るとちょっとした修理に思えることも、現金がなくてできない場合があります。家を早く、より高く売るためには壊れている個所はできるだけ修理してから売り出すことをお勧めします。

また最近は、プロのインテリアデザイナーが売り出し前に家を家具や雑貨を持ち込んで雑誌の撮影シーンのように美しく「ステージング」することが多くなっています。家具等による見栄えの良さは重要ではないことは、バイヤーは頭では分かっているのですが、やはり売り出し時点で美しく見える家に高値を付ける傾向が高く、ステージングが通常は非常に有効です。

住み慣れている家を客観的に見るのは難しいので、ご希望があれば修理については私が売り出し前の作業をリスし、優先順位をつけてアドバイスさせていただきます。またステージングが有効かどうかを検討させていただき、ステージングをご希望の場合は、業者のご推薦及びコーディネートをいたします。またコンパス不動産のコンシェルジュ(Concierge)プログラムをご利用いただくと、修理とステージング費用を不動産を売った利益から、販売完了後にお支払いいただくことも可能です。

 

 

ステップ4 マーケティング

私の方針は、売り出し期間中に徐々に宣伝をするのではなく、家がマーケットに出た直後に最大限の宣伝を行うこと。売り出し当初に買い手をできるだけ集め、買い手同士の競争を生じさせることが、不動産を高く売るために重要だからです。

マーケティングにとって最も重要なのはインターネットです。アメリカではMLSと呼ばれる不動産専門家用のデータベースに、ほぼすべての売り物件を必ず登録する決まりになっています。MLSに掲載された物件情報は随時大手不動産サイトに転載されますが、宣伝活動としてはそれだけではもちろん不十分です。私がお手伝いする物件は、約2百万人が毎月閲覧するCompass.comに掲載され、そこから約800の提携不動産サイトに掲載されます。また15百万人が見るコンパスのソーシャルメディアサイトにも掲載される他、物件専用ウエッブサイトを作成し、FacebookやInstagramなどへの広告も行います。その他には、ハガキ郵送、チラシ、オープンハウス、バイヤー予備軍や地区のエージェントへの大量Eメール等も行い、最大限の露出を図ります。

 

ステップ5  オファーの検討とエスクロー

提出されてくるオファーには価格以外にも様々な条件が提示されています。買い手の状況や提出された条件を分析、整理して、どのように対応するのがベストか、それにはどのようなリスクが伴うのかなどを、詳しく分析し、ご説明いたします。通常は買い手が出した条件を売り手に有利なようにいくらか変更したカウンターオファーを買い手に提示し、それに対して買い手が合意すると契約が成立します。契約期間に入ると、買い手の売り手の双方から雇われ、様々な事務処理に加えて、取引が公正に行われることを監督する役目もあるエスクロー会社が「エスクロー」を開くきます。買い手は通常は購入価格の3%に当たるデポジットをエスクロー口座に入金します。契約が成立してから、家の権利が買い手に移るまでの「エスクロー期間」は通常30-45日間です。

 

 

ステップ6 買い手の調査期間

カリフォルニア州のスタンダードな不動産売買契約書には大きく分けると通常3つのコンティンジェンシー事項が盛り込まれています。コンティンジェンシーとは、その内容に満足できなかったら契約をペナルティ無しでキャンセルできる条項のこと。買い手は契約で決められた期間内にこれらのコンティンジェンシーを外さなくてはなりません。

コンティンジェンシーの一つ目は建物調査および売り手からの公開事項(建物の問題などで売り手が知っていることを書いた書類)。ほぼ全ての買い手は建物調査専門家を雇い、家の調査を行います。二つ目は建物の査定価格。住宅ローン会社が派遣する建物査定の専門家が家の価格を査定します。3つ目は住宅ローンの審査。万が一住宅ローンが認められなかったら、買い手は契約をキャンセルできるのです。

契約にもよりますが通常17-21日程度したら買い手はコンティンジェンシーを外さなくてはなりません。コンティンジェンシーが全て外されると、契約は本決まりになります。

 

ステップ レトロフィット・修理・引越し

コンティンジェンシーが全て外れて、契約がほぼ動かないものとなったら引越しの予定を確定してください。通常最終日から数えて3日-5日ほど前には引っ越を完了するのが理想的です。また買い手いから要求された家の修理に応じた場合は、コンティンジェンシーが外れたらすぐに修理を行います。火災報知機の設置など、市、カウンティ、州などが家を売るに当たって課している最低限の条件を満たすための工事(レトロフィット)もこの間に行います。

 

ステップ 売却完了

住宅ローン会社からはローンの全額がエスクロー会社に振り込まれ、買い手は頭金を振り込みます。エスクロー期間の最終日に、エスクローはタイトル会社に依頼して家の権利を買い手に移転します。エスクローは資金を売り手のローン会社などの必要箇所に振り込み、利益を売り手の口座に振り込みます。買い手は不度動産エージェントから鍵を受け取り、家の正式な所有者になり、家の売却は完了します。