Credit Card photo

人種も生まれた場所も考え方も全く違う雑多な人々が集まって住む国アメリカ。「この人は信用できるのか?」と疑問に思っても、文化背景の違う相手を自分の常識だけで判断することは出来ません。自分の常識からは外れていても、相手はその人の文化に沿ってきちんと行動していることもあるからです。

それではアメリカではどうやって相手が信用できるかどうかを見極めるのでしょうか? 答えはズバリ、クレジットスコアです! 借りたお金を約束どおりきちんと返しているか、買ったもの、受けたサービスに対して支払いをすぐにしているかどうか・・つまりお金に対してきっちりした態度でいるかどうかの情報はEquifax, TransUnion, Experianという3社の調査会社に集められ、各社が個人の信用度をあらわす「クレジットスコア」をアメリカ人およびアメリカに暮らす人々に対して算出しています。Please click the following link to read the rest of the article.

住宅ローンを組むなど、お金を借りるときはこのクレジットスコアを示して「私はお金に対してきちんとした人間です」ことを証明しなければなりません。スコアが悪いと「ハイリスク」と見なされ、普通の人よりも高い利子を支払わなくてはならなくなります。アパートを借りるときにも、大家さんはほぼ必ず賃貸人のスコアを調べます。スコアが悪いとアパートを借りるのも一苦労です。就職時にも企業がクレジットスコアをチェックすることがかなりあり、スコアがいい人ほど採用されやすいと言われています。それどころか、私の聞いた話では結婚前、あるいは結婚を前提としたお付き合いに入る前にお互いのクレジットスコアを見せ合う場合もあるとか。実際お互いのクレジットレポートを見せ合ってから結婚したという私の同僚は「当然のことでしょ。向こうの借金をこっちが背負い込むかもしれないんだから。」と言って、驚く私に対して逆に驚いていました。いくら相手を気に入っていてもクレジットが悪かったらすっぱりと見切る….のでしょうか。でもお金は離婚原因のチャンピオンですから、現実的に考えるとこれは正しい対応ですね。余談ですが、これを聞いて「うちの子供が結婚するときには絶対相手のクレジットスコアを調べるぞ」と決心した次第です。

クレジットスコアの具体的な算出方法は公開されませんが、一般的に言って「お金を借りて、それに対する決まった支払をきちんとしている」という”実績”が長期間しかもある程度たくさんあるほどスコアはよくなります。いくら資産があるかはクレジットスコアに影響しません。つまり10億円の預金が銀行にあっても、一度も借金したことのない人のスコアはあまり良くないことになります。「自分の持っているお金の範囲で借金せず暮らすことこそが人間のきちんとした生き方。なんでそれでスコアが悪くなるんだ!」と思う方、ご説ごもっとも。でもそれを曲げてある程度借金をしないとスコアがよくならない→肝心な場面で信用に足る人間だということを証明できない。これがアメリカの現実なのです。

スコアを上げるためには、まず何はともあれクレジットカードをつくりましょう。(「クレジットがないからクレジットカードをつくれない」と言われた場合は、自分の預金がある銀行などでSecured Cardと呼ばれる自分の預金を担保に借金をする初心者向けクレジットカードを作ってください。しばらくすると普通のクレジットカードを作れるようになります。)生活費をそのカードで払えば、月末に支払いをするまでは「借金」したことになります。Netflixや携帯電話の支払いもクレジットカードの自動引き落としで行うようにします。アメリカで住宅ローンを使って家を買う可能性のある人はもちろん、アメリカに長期間住むつもりの人はできるだけ早くクレジットカードを作り、良いクレジットを形成することをお勧めします。