Craftsman house

不動産を探しているときに、時々見かけるプロベートセール。「プロベートセールはお買い得」だとか、「プロベートを専門にしている投資家がいる」などという話を聞いたことがある人も多いと思います。私は今、プロベートの売り物件をリスティングしているのですが、プロベートが何か分かっている人はアメリカ人でも以外に少ないのが事実。トラストセールと混同している人もたくさんいるようです。そこでここではプロべーとセールについて、簡単に説明してみたいと思います。I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I
プロベートとは、誰かが亡くなったときにその資産を裁判所の監督下で整理すること。実際に手続きをするのは弁護士で、多額の費用がかかります。そのため、アメリカ人のほとんどは生前トラストを作成、生きているうちに資産をどうするかを決めて、プロベートをできるだけ避けようとします。それでもトラストの書類に不備があったり、あとで買った不動産をトラストに入れ忘れていたなどの理由でプロベートになってしまうことがあります。

プロベートで売られる不動産は、修理が多少必要な”コスメティック・フィクサー”と呼ばれる状態なのが普通です。オーナーが生きていれば修理や掃除をした上で売りだすでしょうが、プロベートセールの場合はこのようなことができません。家族が多少の修理をする場合もありますが、基本的には家族は管理人のような立場なので、大きな修理を行うケースはほとんどありません。またプロベートセールは通常As Isで売られます。修理を頼む相手がいないからです。建物の状況を説明するディスクロージャーも、家族では分からないので、かなりの部分が免除せれます。

「プロベートセール=オーナーが家の中で亡くなった」と思っている人がたくさんいますが、そうとも限りません。むしろ病院や長期療養施設で亡くなる人の方が多く、もともと住んでいない投資物件だった可能性もあります。

プロベートセールの購入を検討するとき、まず一番に確認すべきなのは、court confirmationが必要かどうかです! court confirmationが必要でないプロベートセールは普通の売買とほとんど変わりません。総遺族人同士の争いがなく、相続人のうちの一人がアドミニストレーターとして不動産の売買の全権を委任されている場合は、裁判所の監督なしに不動産を販売できます。

これに対してcourt confirmationが必要なプロベートセールはかなり面倒です。まずデポジットが通常は3%なのに対して10%必要です。住宅ローンを使う人のオファーも検討されますが、「ただでさえ面倒な手続きをこれ以上複雑にしたくない」と考える人が多く、現金購入が優先されます。住宅ローンを使う場合は、まず建物調査を行い、住宅ローンを組める状態にしてコンティンジェンシーを外し、裁判所に「これこれこのような条件で買います。」という申し立てを行います。ところがロサンゼルス周辺では裁判所が混んでいるので、このcourt date確保するのが簡単ではなく、数か月待たされることもあります。しかもそのcurt dateには、もっと高い値段を出すバイヤーが来て、元の価格の約5%以上のover bidを行う可能性があります。このいわば裁判所での”オークション”で負けてしまうと、元のバイヤーは物件を買うことができません。

購入に多少のリスクが伴うプロベートセールですが、マーケット価格に比べると低い価格で購入できるで、特に現金購入をお考えの方は、やってみる価値があるかもしれません。ちなみに私が現在リスティングしている76 N CanonはCourt Confirmationがいらないプロベートセールです。