ロサンゼルス都心部及びバレー方面を得意としてるリアルターのユカリ・トラヴィスです。今日はアメリカ不動産取引の基本用語、Backup Offer(バックアップ・オファー)とは何かを簡単にご説明したいと思います。
バックアップ・オファーとは補欠のオファーです。売り手は他のバイヤーと不動産売買契約をすでに結んでいますが、不動産契約にはいくつもの「〇〇だったら契約をキャンセルしてもよい」という特約事項(キャンセル要項)があるので、今契約中のバイヤーが必ずその不動産を買ってくれるかどうかわかりません。そのため、万が一の事態に備えて補欠のオファーを募集、補欠のバイヤーを用意しておくことが多いのです。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i
不動産屋が使用するMLSデータベースや、その他一般向けの不動産サイトを見ると、Backup Offer Onlyという表示がついている売り物件が多々あると思います。そのような表示が付いている物件が、念のために補欠バイヤーを募集している物件です。
気に入った物件がすでにエスクローに入ってしまっている場合、補欠バイヤーになるのは私は一般的にはいいことだと思います。契約をキャンセルするバイヤーは意外にたくさんいます。建物に問題があってキャンセルした場合は慎重な検討が必要ですが、中には「気が変わった」、「親に見せたら反対された」、「住宅ローンが通らなかった」などの理由でキャンセルするバイヤーも多いのです。そんな時、補欠で待っていれば他のバイヤーと競争しないでサッと購入契約に入れます。
補欠バイヤーになるためには、普通の売り物件に対するのと全く同じようにオファーの書類に購入額や他の条件を書き込んで提出します。(この時リスティンング価格は分かりますが、今契約中のバイヤーの物件の購入額は分かりません!)売り手が金額やその他条件に合意すると、「もしも現在のバイヤーが契約をキャンセルしたらこの条件で売買します」という契約が成立します。(補欠バイヤーのオファーの方が購入金額が高いことも稀にあります。それでも売り手は元のバイヤーがキャンセルしないことには補欠バイヤーに売ることが出来ません。)一つの物件に何人ものバイヤーが集まった場合は、トップのバイヤーが契約に入り、二番手のバイヤーを補欠バイヤーにすることも多々あります。
補欠バイヤーになったら後は待つだけですが、この間もただ待っているだけではなく、どんどん他の売り物件を検討することをお勧めします。より良い物件が見つかったら、バックアップ・オファーはキャンセルできるからです。ただ「もう少し待てばバックアップオファーを出したあの物件が手に入るかもしれない・・・」と思ってしまうと、他の物件をなかなか真剣に検討できない場合も多いと思います。バックアップオファーを出すかどうかは、家探しにかけられる時間や自分の性格、その物件をどれぐらい気に入っているかなどをよく勘案して決めた方がいいかもしれません。