アメリカで家を買うにはいくら頭金が必要なのでしょうか?

日本国籍の方の場合、まずアメリカでローンが組めるかどうかを初めにチェックする必要があります。ソーシャルセキュリティ番号、クレジットヒストリー、就労許可と定収入があれば普通はローンが組めます。詳しくは、また別のブログ記事で説明したいと思います。

さて、頭金ですが、頭金は英語ではDown Payment。家を買うときに、キャッシュで支払う額のことで、購入価格から頭金をマイナスした額がローンの借入額になります。

エスクローに入るときにまず用意する手付金(Earnest Money Deposit = EMD)とは違うのでご注意ください。手付金は南カリフォルニアでは通常、購入金額の3%になり、エスクロー中に契約書内で許された手続きに基づいて契約を解除した場合は、手付金は基本的には全額戻ってきます。(エスクロー会社に、エスクロー中にかかった経費をとられるケースも稀にあります。)

 

頭金の最低額はローンのタイプによって異なります。

コンベンショナルローンと呼ばれる普通のローンの場合、頭金の購入額に対する割合は自由に設定できます。クレジットスコアが非常にいい場合は、ローン会社にもよりますが、5%程度の頭金でもローンを組むことが可能です。ただし、頭金が少ないと毎月の支払額が大きくなり、それを支払っていくのに十分な収入が必要になります。

頭金が20%以下の場合は、PMI(Private Mortgage Insurance)という保険料の支払いが毎月生じます。頭金が低いローンは危険が高いと見なされます。そこでローンの支払いが滞った場合、ローン会社をカバーーするための保険をかけるのですが、その支払いはローンの借り手が行わなければなりません。PMIはローンの支払いが進んで、ローンの総額が家の価値の80%以下になるまで続けることになります。

ということなので、PMIが必要ない頭金20%以上がもっとも有利ですが、10%、15%程度の頭金で家を買うバイヤーはたくさんいます。

FHAローンと呼ばれる政府のプログラムを使用すると、頭金は購入額の3.5%まで抑えることが出来ます。その場合、家の価格が40万ドルだとすると、頭金は1万4千ドルあればいいことになります。

 

頭金が多いほど毎月の支払額は減りますので、「頭金が多いほど安心」であることは確かです。ただ、頭金を増やすために貯金をすべて空にしてしまうのはお勧めできません。万が一のための予備の資金、家を購入した後の修理費や家具購入代などは現金で確保しておく必要があります。また家の購入には購入価格の約3%にあたる「クロージングコスト」もかかります。(クロージングコストはセラーからキャッシュバックしてもらってローンに組み込むことも出来ます。)

 

頭金20%以上が一番有利であることは確かですが、「頭金20%が貯まるまで家を買うのは延期する」のがいい対策かどうかは時期によってことなります。家の値上がり率が貯金のスピードを超えている場合、「いくら貯金しても家の値上がりに追いつかない」という事態が生じかねません。そのような場合は、頭金が低くても、ローンが組めるのであれば値上がり前に家を確保したほうが得策だと思います。

 

地区ごとの値上がり率や家の価格については、お気軽にユカリ・トラヴィスrealtoryukari@gmail.comまでメールでお尋ねください。