日本では不動産エージェントは売り手と買い手の両方を受け持つ場合が多いですが、アメリカではセラー(売り手)とバイヤー(買い手)に別々のエージェントが付くのが普通です。

セラーを担当するエージェントは「リスティングエージェント」、バイヤーを担当するエージェントは「バイヤーズ・エージェント」と呼ばれています。

バイヤーズ・エージェントとは、家を探し始めてから家を買い終わるまで、バイヤーのお手伝いをする人です。もしも家の購入がパック旅行だったら、エージェントはツアーガイドのようなものだと考えていただければと思います。

エージェントは、物件をご紹介し、見学予約を入れて見学にアテンドします。買いたい家が見つかったら契約内容についてアドバイスし、オファーを作成します。最後に家のカギを受け取るまで、バイヤーと一緒にすべての手続きを進めます。住宅の購入には交渉がつきものです。購入価格、修理代のクレジット額など、売り手と買い手の利益が対立する事項はたくさんあります。バイヤーズエージェントは、そのたびにバイヤーの立場が有利になるように、バイヤーの利益だけを考えて交渉を進めます。不動産の購入にはいろいろな側面があり、非常に多くの人が関わりますが、バイヤーは基本的にはバイヤーズ・エージェントとやり取りをすれば購入できる仕組みになっています。i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i  i i i i i i

このバイヤーズ・エージェントのサービスはバイヤーにとっては無料です。不動産を購入しようとしまいと、バイヤーはエージェントに支払いをする必要はありません!

なぜ無料かというと、エージェントのコミッションは売り手が一括してリスティングブローカーに支払っているからです。物件が売れると、通常はその半分がバイヤーズブローカーに渡され、各エージェントはそれぞれのブローカーから一定割合の報酬を得る仕組みなっています。

「コミッションの出所は売り手。バイヤーズエージェントも結局は売り手の利益を考えざるを得ないのでは?」という人もいますが、そんなことはありません。たとえ交渉が決裂しても、バイヤーが別の家を買うときにバイヤーズエージェントは収入が得られるので、現在交渉中の物件にこだわる必要ないのです。

バイヤー専門のエージェントも稀にはいますが、不動産エージェントはバイヤー側、リスティング側の両方をこなすのが普通です。

オープンハウスなどに行って自分が買いたい物件が見つかった場合、売り手のエージェント、つまりリスティングエージェントにバイヤーズエージェントを兼用させてしまうバイヤーがいます(Dual Agentといいます。)が、お勧めできません。このようにすると、自分だけのエージェント、バイヤーだけの利益を考えてくれる専門家が誰もついていないまま交渉を進めなければならないことになってしまいます。リスティングエージェントは、もらえるコミッションが額が倍になるのでDual Agentになりたがるかもしれませんが、そのような勧めにはのらない方がいいと思います。